HSPトップページ:ハンセン溶解度パラメータ(HSP)の基礎
2011.11.17
HSPiP Team Senior Developer, 横浜国大非常勤講師 山本博志
初心者の為のハンセン溶解度パラメータ(HSP):ハンセン先生のホームページにある、”初心者の為のハンセン溶解度パラメータ”を翻訳しました。”似たものは似たものを溶かす”という原理があるが、我々が似たものというときは、HSPのベクトルが似ていることを示している。
良くある質問(FAQ):ハンセン先生のHPにある、”ハンセン溶解度パラメータ(HSP)に関してよくある質問”を翻訳しました。ご利用ください。
HSP-Wiki : WikiPediaで公開されているハンセン溶解度パラメータに記述されている内容を先生の許可のもと掲載しています。
e-Book:HSPiP(Hansen Solubility Parameter in Practice)に収録されているe-Bookの各章のタイトルと内容の簡単な説明です。
ハンセン溶解度パラメータ(HSP)を使う10の理由:溶解を扱う理論はたくさんあるが、HSPを使う理由は10ある。それを紹介する。記念すべきアプリケーション・ノート#1だ
ハンセン溶解度パラメータ(HSP)とSmiles: Smiles(Simplified Molecular Input Line Entry Syntax)を使うとHSPiPの利用は非常に簡単になる。特にポリマーについて提案する。
Material:「溶解度パラメータの計算方法と、溶解性評価への利用」技術情報協会、マテリアルステージ(2009.8月号)に掲載の記事。どうやってハンセン先生、アボット先生とハンセンの溶解度パラメータ(HSP)を決めているか?これを使うとどんなことができるか?を簡単にまとめています。
V.2からV.3へのアップデートによるHSP推算結果を、てんかん薬を例に説明する。V3では窒素原子の取り扱いがより精密になり、誤認識することも減った。また、推算値の妥当性をHPLCのデータと比較することによって検証を行った。
Y-MB 3.0.x の推算精度: dD, dP, dHの推算精度を検証した。
カルボン酸化合物のハンセン溶解度パラメータ(HSP):カルボン酸は溶解度パラメータの中でも困り者の化合物だ。HPLCの一斉分析のデータを入手したので、HSPを使ってリテンション・タイムとの相関を検討した。また、蒸発潜熱のデータから、カルボン酸が困り者になる理由を説明する。
HSPiPで使える官能基一覧:自分が使いたい化合物が、ここにある官能基の組み合わせで表現できるかどうか、よく確認の上、HSPiPを導入するかどうか判断して欲しい。Y-MBは自動的に一番大きい官能基をさがすように動作する。官能基の認識が間違っていたらフィードバックをお願いします。
HSPiPの使い方その1:ハンセン溶解度パラメータ(HSP)を使った離型剤の洗浄:高分子を射出成形したときにポリマー表面に残る離型剤だけを溶解し、ポリマーを溶解しない溶媒を探したい。といった状況の時にハンセンの溶解度パラメータをどう使うのかを解説する。ポリマーブレンド、相溶化剤の開発にもつながる基本的な考え方。HSPiPのデータベースから希望のHSPをもつ溶媒を探す方法の解説
HSPiPの使い方その2:顔料など溶けないもののHSPを決定するには?顔料などの無機物をHSPで扱う時の基本的な方法をTiO2系顔料で説明する。顔料は溶媒中に入れても溶解もしないし、膨潤もしない。そのような時には、例えば懸濁安定性で溶媒を2つのカテゴリーに分け、Sphereプログラムを使いHSPを決定する。表面修飾のやり方によってHSPがどう変化し、懸濁安定性がどうなるか理解する。
HSPiPの使い方その3:リチウム電池用のカーボネート系溶媒から副生成物を抽出除去する溶媒を探索してみる。副生成物が良く溶け,主生成物が溶けにくい溶媒の探索方法。使い方が分かりづらいというユーザーにハンズ・オンで説明した。その説明の改訂版。最適な抽出溶媒のHSPがわかったら、そうしたHSP値を持つ化合物をデータベースから探索する方法、混合溶媒の設計方法を解説する。
HSPiPのデータベース:Ver.2 からVer.3で、データベースに搭載の物性値の種類、搭載件数がどう変わったかを示しておく。ここで収録件数が多い物性値については徐々に推算精度も向上していっている。また、ここに無い物性値を扱いたいならHSPiPは不適切だ。購入前の参考にしていただきたい。
自分の持つデータベースにHSP値を加えるには?:ハンセン溶解度パラメータ(HSP)のデータの取り込み:自分のもつデータベースに、HSPの値や、Y-MBで推算した物性値を取り込みたい時には、まずSmilesの構造式を準備して、Y-MBの中にある、file convertの機能を使う。化合物のHSP、分子体積、使っている官能基の数をバッチで計算してファイルを作ってくれる。Y-MBの推算値をデータベースに取り込みたい場合には、Developerバージョンを使うか、一つ一つ手作業でSmilesの構造式から計算して、推算値を戻さなければならない。
HSPの計算方法:ハンセン溶解度パラメータ(HSP)の算出法については、化学工業社、化学工業6月号を参照ください。
Sphereの拡張1:ハンセンの3次元球を決定するプログラム,SphereはHSPiPの中核となるプログラムだ。様々な成功を収めてきたプログラムであるが,問題点も指摘されるようになった。そこでVer. 3.1.Xにむけて様々な改良が施された。最初に、溶解する量を再現できるように、定量的な球を求めるアルゴリズムが搭載された。この場合のScoreの値は実数が許されている。注意点としては、HSP距離が短いほど、Scoreは大きな値となるように値を入れる。HPLCのリテンションタイムなどは、逆数にして入力する点だ。
Sphereの拡張2:年に1回行われる開発者会議で、冗談のように、球を2つ決定できないか?という話題が出て、1日で作り上げたプログラムだ。思いの外有用で、今まで例外とされていた溶媒の挙動がこの、Double Spheresを使うと明確に理解できたり、中ー大規模分子の溶解性が説明できるようになった。V.3.1.Xの超目玉の機能だ。混合溶媒を設計するときにも、2つの球の中心を結ぶ線上の貧溶媒を選択したほうが、結果はよくなるはずだ。
dH(水素結合項)の分割:ハンセンの溶解度パラメータ(HSP)の問題点として、ドナー性/アクセプター性の顔料などの分散性がHSPでは合わないといった指摘がある。HSPiPのV.3.1.xからは水素結合項をドナーとアクセプターに分割した値もサポートされたが、HSP距離の考え方、ハンセンの溶解球の考え方は拡張できずにいる。今後の課題だ。
電子書籍の要約版(マックによる機械要約)
e-Book:Chapter 1 The Minimum Possible Theory (Simple Introduction)
e-Book: 第1章 最小限の理論。
熱力学は、ある現象が進むかどうかを示す。つまりHSPは熱力学に基づいて溶解現象が進むかどうかを予測するものである。
Chapter 2 The Sphere (The Preferred Method of Visualizing)
e-Book: 第2章 球
HSPは分子間に働く力を、分散力、極性力、水素結合力に分けて考える。この各々のエネルギーをx、y、z軸に投影する。あるポリマーを溶解する溶媒のHSPを3次元にプロットすると溶解するものとしないものの境は球を形成する。この球の内側に来る溶媒はポリマーを溶解する。
Chapter 3 Your first HSP Sphere (Determining the HSP Sphere)
e-Book: 第3章 最初の1歩
例えば塗装における工程のように,ポリマーを溶解したいとしよう。コストや健康&安全、環境影響上の厳しい制約があり,良い混合溶媒を見つけるのはとても難しい。20個のガラス瓶を用意し最初の1歩を踏み出そう。
Chapter 4 Coming clean (Finding Good Solvents)
e-Book: 第4章 きれいになる。
インクやペンキに使われる揮発油は健康上問題があり、代替の探索がデンマークでは必須である。そこでインクを構成するポリマーや顔料が溶媒とどのような相互作用をするかHSPで調べ、代替物の開発が非常に加速された。
Chapter 5 Safer, Faster, Cheaper (Optimizing Solvent Formulations)
e-Book: 第5章 安全に、早く、安く
新しい溶媒を探索しようとしたときに、毒性が無く、安いものを選びたいが、これは非常に時間のかかる作業になる。HSPを使うと毒性がある高価な溶媒のHSPと同等な安全で安い混合溶媒を非常に早く探すことができる。
Chapter 12 That‟s swell (HSP and Swelling)
第12章 それは膨潤だ。
同じポリマーなのにHSPの値が極端に異なる場合がある。PCTFEを例にとると塩素の部分とフッ素の部分で溶媒に対する親和性が大きく異なる。そこでHSPの値もばらついてしまう事がある。そうした部分的な膨潤があり得る系では扱い方にノウハウが必要だ。
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