ピリカで化学:
ハンセン溶解度パラメータ(HSP)アプリケーション・ノート(基礎、応用方法の解説)
2009.8.13
HSPiP Team Senior Developer, 横浜国大非常勤講師 山本博志
横浜国大、オープンセミナーのお知らせ。
企業の方(もちろん学生)も無料で参加できるオープンセミナーを開催し、その中で自分も話をしようとしています。 「この部分の話を聞きたい」「開催日の連絡が欲しい」などございましたらメールでご連絡頂ければ対応いたします。
(内容については注意深く作業を行っていますが、内容の間違い等による、いかなる損害に対してもpirkaは一切の責任は負いません。自己責任でご利用ください。)

HSPiP開発チーム:Dr. Hansen (left), Prof. Abbott (center), Dr. Yamamoto(right)
HSPiP, FFE のお助けプログラム。2012.3.23
HSPiPの代理購入を手がけている映像工房クエスチョンさんから、HSPiP, FFEのプログラム用のお助けプログラムがリリースされます。映像工房クエスチョンさんから購入した場合におまけとして配布されます。どんなお助けアプリがあったら便利かのフィード・バックも受け付けるそうなので利用されてはどうでしょうか?
怖いもの見たさのプログラム 2012.4.12
HSPiPの開発では、ユーザーからのフィードバック(新しい提案、バグ情報)が非常に重要な役割を果たしています。しかし、フィードバックが直接すぐにHSPiPに搭載されるかというとそれも難しいのが現状です。もしかしたら改良したつもりが、他の部分との整合性が崩れ、逆にパーフォマンスが低下したというようなことがあるからです。そこでフィードバックをくださった方にテスト・バージョンを提供し思った通りに動作しているか試して頂いています。そうしたバージョンはThriller Seekerのバージョンと呼んでいます。HSPiP、FFEの将来バージョンがどの方向へ向かっているのかを知るにはここを見るのがいいでしょう。
HSPiPの日本でのユーザーサポートはアボット先生から頼まれているので山本が行います。HSPiPの日本ユーザーのリストは自分の所に自動的に送られてきます。中身に関する、質問、疑問は購入の際に登録したメールアドレスからお願いします。
2011.12.16 講習会
HSPiPの使い方を講習して欲しいというメールをよく頂くようになった。講習会の企画屋からも話しがあるが、これはSP値の基礎と応用を話して欲しいということだったのでお断りした(だいたい参加費が高すぎ! これだったらHSPiPを買ってユーザサポートを受けたほうがマシ)。WebセミナーとかGoogle+のサークルとか模索してしているが中々いい方法がない。メールをくださった方の話では、学会とかに絡んでいると参加しやすいというのだが...。溶解度パラメータの話をして欲しいっていう学会、大学はないのだろうか?一番いいのは大学が部屋を貸してくれてサイエンスカフェみたいに話せると面白いのだが。大学でHSPiPを購入したところも増えてきた。コロキュームの話者で呼んでくれないかな。
2011.2.10 ホームページのリニューアルに関して
今までは、マック用のホームページ作成ソフト、iWebを使って記事を書いてきました。これは非常に簡単にそれなりのページが作れるので重宝してきました。書くことに集中できるといった意味では最高のソフトです。しかし、英語版と合わせると200ページに届こうかとなってくると500Mbyteにもなり、効率の悪さが目立ってきました。そこでDreamWeaverを使って書き直しました。また、それに合わせて、ページの構成をGoogleなどの検索サイトに合わせて変更しました。これは、このページにアクセスしてくる訪問者は、ほとんどが検索サイト経由です。自分のページ内で、この単語の意味はこちらのページで読んでくださいとリンクを張っても、なかなかそちらは見ていただけず、もとの検索結果画面に戻ってしまいます。そこで、各ページに必要な説明を入れ込みました。その部分は背景に色をつけてあります。一覧を見ていると同じ記述がなんども出てきますが、理解していれば読み飛ばしてください。
2011.11.17 再びリニューアルに関して
HPの構造が複雑になり、メンテがしにくくなったので、また変えます。今回は物性推算のページなどがメインなのでHSPに関する変更は極僅かで、メニューを分割して位置を変えたぐらいです。
ハンセン溶解度パラメータ(HSP)の基礎
HSPの基礎的な考え方、使い方を解説する。初心者は目を通して頂きたい。
HSPは蒸発のエネルギーを
1.分散エネルギ(dD; Dispersion Energy)
2.分極エネルギー(dP: Polar Energy)
3.水素結合エネルギー(dH: Hydrogen Bonding Energy)
の3つに分け、それを3次元ベクトルとして扱う。3次元SP値とかも呼ばれる。
HSP応用技術
HSPは単なる溶解性の指標だけではない重要な指標だ。ある物質の分子間相互作用を考えた時に、重要なのは
1.ファンデルワールス相互作用(dD)
2.静電相互作用(dP)
3.水素結合作用(dH)
それ以外にも、π-πスタッキング相互作用、配位結合、電荷移動相互作用などがある。HSPでは3番以降をdHに組み込んでしまっているが、それでも分子間相互作用に関することには、うまく使うと色々な事ができる。
ポリマー
HSPが使われる一番メインの領域は高分子の溶媒探索、ポリマー同士の混合、添加剤の処方設計だろう。溶解、膨潤や混合を考えるときには、溶解度パラメータの3次元のベクトルと、ハンセンの球(Sphere:溶解、膨潤、混合がおきる溶媒を3次元にプロットすると球を描く)が重要になってくる。
医薬品、香り,化粧品,味
最近、目立って利用が進んでいるのがこれらの領域の研究だ。HSPが全てでは無いだろうが、重要な役割を果たしていることが明らかになりつつある。自己組織化ニューラルネットワーク法(SOM法)を使った解析など新たな取組を紹介していく。
環境、溶媒設計
環境問題と溶媒設計は古くからHSPによって検討されてきた。YMBとあわせて利用価値が増大している。YMBの推算結果の検証等もここで行う。
YMB
ある溶媒を使いこなす場合に、SP値だけで設計できることは少ない。HSPiPに搭載されているYMBという物性推算機能を使うと様々な物性値が得られる。またそうして得られた物性値を組み合わせると、自分でやりたいことができるようになる。最近、自分はプログラミング環境をHTML5+JavaScriptへ変更した。そして、YMBの新板を作った。ところが、HSPiPに搭載される目処は立っていない。Windows用のブラウザーのうちインターネット・エクスプローラ(IE)がこれをサポートしないため、Windows派の先生が首を立てに振らないことも原因の一つだ。この新板については自分でやってみようで解説する。
分析
HPLCやガスクロのリテンションタイムは充填剤への溶解性、脱離性で考えることができる。NMR溶媒に溶けにくいものを、どう混合溶媒を設計するか? HSPが有効であろう。
FFE
FFEは化粧品の処方を最適化するプログラムだ。有効成分を最大限溶解させるには? その皮膚への移行を最適化するには? などが検討できる。その根本原理にはハンセンの溶解度パラメータが使われている。製品体系としては別物でFFE単体で販売される。
その他
その他、無機物の解析例などを紹介する。HSPは、画家の使う油絵の具(ポリマー、顔料、溶媒)の溶媒を、毒性の低いものに変えるときにどうしたら合理的にシステム設計できるか、というのが出発点だ。顔料、カーボンブラック、グラフェン、フラーレン様々な分野へ応用されている。
自分でやってみよう(新しいプログラム)
HSPiPを使えばそれなりに色々なことができる。しかしHSPiPの吐き出すデータを高度に利用するとさらに色々なことができる。それは自分のやっている仕事は自分が一番良く知っているから可能になる。それをお手伝いする方法を解説しよう。
Y-MBの新版を使ってできることもここで扱う。
HSP用のJAVAのプログラム
こちらのJAVAのページは、お使いのブラウザーにJAVAのJREがインストールされ、使用が可能になっている必要があります。iOSでは動きません。Andoroidでは試したことがありません。フィードバックをお願いします。
HSP用のHTML5のプログラム
最近、プログラムをHTML5+JavaScriptで書くことが多くなってきた。AppleはFlashと同じようにJAVAを切り捨てにかかっているので、早めに手を打つ必要がある。プログラム言語としては”ふにゃふにゃ”しているという感じだけど、専門のプログラマーでない化学者の自分とは相性がいいかもしれない。
Sphereを見るためのJAVA3Dのプログラム
ほとんどのコンピュータはJAVA3Dを表示する用のプログラムがインストールされていません。インストールされていると確信がある場合のみ上記リンクにお進みください。ブラウザーが対応していれば下のHTML5のプログラムの方を利用してください。
Sphereを見るHTML5のプログラム
Sphere(球)というのは、ある溶質を溶解する溶媒は、ハンセンの溶解度パラメータが似ていて、それを3次元空間にプロットすると球を構成するという、ハンセン先生が考えた理論です。

その際(1967年)には上のような装置を組み、溶媒のHSP(ハンセンの溶解度パラメータ)の位置に溶媒名を書いたタグを付けて、溶解したものとしなかったものを色分けして、検討したそうです。
上にブラウザーの判別結果が表示されます。対応するブラウザーをお使いならばリンク先へお進みください。
その他の記事
化学工業社、化学工業2010年3月号より2011年2月号まで8回、基礎と応用の記事を書きました。その題目 。
徒然に日々の研究など。HSPiPの更新情報などもお届けします。
ピリカで化学
YMBに搭載されている物性推算式はPirikaで開発されたものが転用されている。その基礎を理解したいのであればこちらを参照して頂きたい。
2011.12.2
化学工学をやている方からメールを頂いた。Pirikaの物性推算のフルバージョンを使いたい場合に、どうしたらいいかというものだ。現在市販されているソフトウエアーでPirikaの物性推算式が搭載されているのはHSPiPだけだ。

このソフトウエアーのY-MB画面で分子の構造をSmilesの構造式で入力すると、プログラムが原子団に分割され、様々な物性値が計算される。マニュアルをきちんと読んだ方はご存知だろうが、結果はクリップボードへコピーされているので表計算ソフトなどへペーストして使うことができる。
計算される物性値は以下のものだ。
dD dP dH dHD/A :ハンセンの溶解度パラメータ
MVol :分子体積
SMILES :Smilesの構造式
Formula :分子式
MWt :分子量
Density :密度
MPt :融点
BP :沸点
RI :屈折率
VP@25°C :25℃の蒸気圧
RER :相対揮発度
ExpA ExpB :膨張係数
LogOHR :OHラジカルとの反応性
MIR :カーターMIR
LogKow :オクタノール/水分配比率(logP)
LogS :水への溶解度
LogKsoil :土への分配係数
AA AB AC:アントワン定数
Tc Pc Vc :臨界定数
Visc@25°C:粘度
PirikaではSNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)への移行を検討しています。それはJAVAやHTML5などを使った計算をWeb上で行うのはセキュリティー上怖い(もしくは禁止されている)という意見が多いからです。自作のプログラムをWebアプリケーションとして提供できるSNSは、HTML5をベースとしたFaceBookか、JAVA(もしくはGo)をベースとしたGoogle+です。下のボタンでどちらが使いやすいか投票して頂けたらと思います。


