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HSPiP Hansen Solubility Parameter in Practice(HSPiP)HSP統合ソフトの本家HP

ハンセン溶解度パラメータ・ソフトウエアー(HSPiP)の購入方法とインストール

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Last Update
04-Feb-2013

アプリケーション・ノート#47
環境:ハンセン溶解度パラメータを使ったグリーン・ソルベントの設計:健康や環境に害を与えない溶剤を組み合わせて目的物を溶解する混合溶媒はどのように設計できるかを解説する。自分がよく使う溶媒群があるのであれば、簡単なプログラムを書くことによって、目的とするHSPの混合溶媒を簡単に設計することができる。HSPiPに搭載の環境影響評価の機能と合わせて利用すれば溶媒設計が加速できる。

2010.7.28

HSPiP Team Senior Developer, 横浜国大非常勤講師 山本博志

 

ハンセンの溶解度パラメータ(HSP)を使った最初の著名な成功例は、デンマークにおける画家が使う(油絵の絵筆を洗う)揮発油の代替溶媒の設計だ。健康や環境に害を与えない溶媒の組み合わせで、絵の具を溶解する溶媒をどう設計するかという例題がHSPiPに記載されている。

HSPiP(Hansen Solubility Parameters in Practice)

HSPを効率的に扱えるように、ハンセン先生とアボット先生がHSPiPというWindows用のソフトウエアー、データベース、電子書籍の統合パッケージを開発されました。これを使うと溶解性に関する様々な疑問に答えてくれます。もちろん材料設計は溶解性だけで決まるほど単純ではありません。そこで、Y-MBという分子を自動的に分割し、様々な物性を推算する機能が付け加えられました。Y-MBはver.4 からはY-Predictというパワーツールとしても提供されています。

概要についてはこちらをお読みください。(2013.1.22)
機能についてはWhat Newをお読みください。
自分が使いたい化合物が計算できるかは使用できる官能基のリストで確認ください。
HSPiPの購入とインストール方法をまとめてあります。
他の会社はどんな使い方をしているのか? 特許をまとめてみました

まず、大事なのは、絵の具の溶解度パラメータ(HSP)を知ることで、そのHSPが分かれば、”似たHSPの溶媒は似たHSPの絵の具を溶解する”というHSPの大前提が利用出来る。

ハンセン溶解度パラメータ(HSP)

ハンセンの溶解度パラメータ(HSP)は、ある物質がある物質にどのくらい溶けるのかを示す溶解性の指標です。ヒルデブランドのSP値と異なり、溶解性を多次元のベクトルで表し、そのベクトルが似ているもの同士は溶解性が高いと判断します。”似たものは似たものを溶かす”、”似たものは似た所にいたがる”というのがHSPの基本です。このベクトルは[分散項、極性項、水素結合項]で表されます。分散項はファンデルワールスの力、極性項はダイポール・モーメントの力、水素結合項は水、アルコールなどが持つ力です。(さらに水素結合項をドナー、アクセプターに分割すると4次元になります。)


”似たものは似たものを溶かす”と言う単純な考え方で、ポリマー、医薬品などがどんな溶剤に溶けるか? 高分子の添加剤がどれだけポリマー中に居やすいか? 匂い物質が鼻の嗅覚細胞にどのくらい溶けるか? 医薬品がレセプターにどのくらい溶けるか? ガスクロやHPLCの充填剤にどのくらい溶解しやすいか? 化粧品の皮膚への溶解性は?などを理解するのに役立っています。

PirikaのHSPを計算するJAVAアプレットのデモ、HSPLightはこちらから。
最新の研究はパワーツールで紹介しています。どのような方向に進化しているのか知りたければ覗いてみてください。

その上で、HSP距離が短いものはよく溶解すると考えられる。

HSP距離

HSP distance(Ra)={4*(dD1-dD2)2 + (dP1-dP2)2 +(dH1-dH2)2 }0.5

ここで、溶媒単品が、人体に害がある、環境に悪い影響がある、高価である場合、他の(混合)溶媒などで同等の物性を持つものを探索しなくてはならない。ハンセンの溶解度パラメータでは混合溶媒のHSPは下式で簡単に計算できる。この混合ベクトルが絵の具からのHSP距離が短ければ、絵の具を溶解する可能性は高いと判断する。

混合溶媒のHSP

[dDm, dPm, dHm]=[(a*dD1+b*dD2), (a*dP1+b*dP2),(a*dH1+b*dH2)]/(a+b)

混合比率は体積で計算する。

Pirikaの混合溶媒を設計するJAVAアプレット・デモ、GSDはこちら。
dHをdHdo,dHacに分割した混合溶媒の探索は最新の研究はPowerToolsのプログラムで紹介している。どのような方向に進化しているのか知りたければ覗いてみて欲しい

このような混合溶媒の設計方法を解説する。まず、目的とするHSP[dDt, dPt, dHt]が決まっている場合、混合ベクトル[dDm, dPm, dHm]がなるべく目的に近くなるように、比率a:bを調整することができる。

Rhodiasolv

Rhodiasolv RPDE [17.21, 6.26, 9.16]
Rhodiasolv DIB [15.9,2.4,7]

Dow Haltermann

Estasol [16.9, 4.7, 9.8]

ここでは、RhodiasolvとEstasolというエステル系の溶媒を汎用の溶媒と共に組み込んだ簡単なJAVAアプレットを作成してみた。このようなプログラムを書けば、内蔵されている溶媒のすべての組み合わせで、距離が最低になる混合比率を算出することができる。
どの組み合わせが最も目標に近くなるかは、目標値に依存する。(JAVAのアプレットを使って実際に計算するPirikaのデモはこちらのGreen Solvent Designerをお試しください。HTML5バージョンはこちらから。)

例えば,アビエチン酸, [17.6, 4.1, 5.9]を溶かすのに最適な溶媒を探索するなら,そのHSPを入れてサーチボタンを押す。すると内蔵している溶媒の組み合わせで,最適な(体積)混合比率を計算する。結果を表計算ソフトにペーストすれば様々な解析を加える事ができる。

Solv1 Solv2 Volume1 distance
Cumene Rhodiasolv PRDE 42 0.096
Anisole Heptane 89 0.338
Anisole Pentane 90 0.428
Anisole Cumene 85 0.542
Cumene Tetrahydrofuran (THF) 35 0.745
Anisole Ethyl Ether 89 0.826
Anisole Methyl Iso-Butyl Ketone (MIBK) 88 0.857
Anisole t-Butyl Methyl Ether 89 0.881
Cumene Ethanol 73 0.907
Cumene Estasol 42 0.997

アビエチン酸を一番良く溶解する混合溶媒は,Cumene:Rhodiasolv=42:58の混合溶媒であるという結果になった。
Cumene:Estasol=42:58も良いだろう。
もし,ユーザとしての利用だけなら,使い慣れた溶媒群をこのようにプログラムに登録し,比率だけを求めると言うのは非常に有効だ。

これを行うためには、溶質のHSPの値が必要になる。データベースにない溶質の混合溶媒を探索したい場合には、構造が明らかなものは、Smilesの構造式から、Y-MB機能を使って推算することも可能である。

Smilesの構造式

分子の水素は書かずに重原子の元素記号だけ線形に表記する。
有機化学用のC, N, O, P, S, F, Br, Cl, Iは角括弧は省略。他の原子には[]をつける。
枝分かれは()を使う。
2重結合は=,3重結合は#で表す。
環状構造は環の結合を一つ切りその両端に1以上の同じ数字をつける。
PirikaのSmiles構造式を得るJAVAアプレットはこちらから
分子の描画によってSmilesの構造式を得るDraw2SmilesがHSPiP Ver.4 パワーツールに搭載されました。

絵の具のポリマーのように構造がはっきりしない場合には、HSPの解っている溶媒を使って分散安定性の実験を行って、Sphereプログラムを使ってHSPを決定する必要がある。そのやり方に関しては表面修飾したTiO2の分散性の記事やHSPiPに搭載されているHowToを参考にしていただきたい。

 

Cumene Rhodiasolv PRDE 42 0.096
Anisole Rhodiasolv PRDE 100 1.118
Heptane Rhodiasolv PRDE 29 2.012
Pentane Rhodiasolv PRDE 26 2.418
Tetrahydrofuran (THF) Rhodiasolv PRDE 100 3.087
Ethyl Ether Rhodiasolv PRDE 29 3.270
Methyl Iso-Butyl Ketone (MIBK) Rhodiasolv PRDE 34 3.335
t-Butyl Methyl Ether Rhodiasolv PRDE 32 3.386
Methyl Ethyl Ketone (MEK) Rhodiasolv PRDE 18 3.862
Acetic Acid Rhodiasolv PRDE 0 3.988
Acetone Rhodiasolv PRDE 0 3.988
1-Butanol Rhodiasolv PRDE 0 3.988
Dimethyl Sulfoxide (DMSO) Rhodiasolv PRDE 0 3.988
Ethanol Rhodiasolv PRDE 0 3.988
Formic Acid Rhodiasolv PRDE 0 3.988
3-Methyl-1-Butanol Rhodiasolv PRDE 0 3.988
2-Methyl-1-propanol Rhodiasolv PRDE 0 3.988
2-Propanol Rhodiasolv PRDE 0 3.988

自社の溶媒を中心に,顧客に混合溶媒を提案したいなら,溶媒順にソートして,HSP距離と溶媒比率を見ながら提案するなども上のテーブルに示すように簡単だ。
HSP距離がどのくらいまで許されるかは,溶質によっても異なる。もとの関係式を見て判断して欲しい。

溶解度だけを合わせたのでは、グリーンかどうかの判定にはつながらない。
HSPiPには環境影響評価の機能もある。
VOC化合物について推算値の検証を行ったので参照して欲しい。

2012.7.26

印刷用のインキを溶解する、ジクロロメタンとジクロロプロパンが胆管ガンを引き起こすと問題になっている。これらの溶媒の4D HSP[dD, dP, dHdo, dHac]が
ジクロロメタン [17, 7.3, 6.9, 1.7]
ジクロロプロパン[17.3, 7.1, 1.4, 2.5]
として、どのようなグリーンソルベントが同等の溶解性になるか、実際に計算してみよう。

目標値を入れてSearchボタンを押すと結果が表示される。それを全てコピーして表計算に貼付ける。(一部のブラウザーと表計算で、タブや改行コードが正しく機能しない事があるようだ。特にWindowsは\r\nを改行につかっているので問題となる。インターネット標準は\nだ。不具合が出た場合は一旦高機能なテキストエディターにペーストして、そこからコピー、ペーストする。)意外とというか、あたりまえというか、ジクロロメタンにぴったりする混合溶媒は無い。しかも、HSP距離の短い混合溶媒は、酢酸や蟻酸など臭気の強い溶媒ばかりになる。ジクロロプロパンはまだましだ。MIBKなどのケトン系の溶媒とRhodiasolv DIBなどの混合溶媒などが提案される。

PowerToolsのプログラムのページに、このプログラムのフルバージョンがある。自分だけの溶媒リストを作る機能などは評価が高い。

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