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2005.1.14

振動ライブラリーの使い方3

置換機操作や原子の種類を変えるだけでは作れない構造もあります。例えばシクロヘキセンの構造を作るにはどうしたらいいでしょうか? その場合だいたいの形を作ってMMを使って形を整えます。ここではシクロヘキセンの遷移状態に近い構造を遷移状態データベースの基本骨格から作る手順を紹介します。まずラジカルとしてAN、モノマーとしてVCを選んでSearchボタンを押します。

このような遷移状態の構造が読み込まれたと思います。ここでMain MenuからBuild Molを選びます。そして塩素をCH3に変えます。同様に塩素の側の水素をCH3に変えます。もう一度づつCH3に変えるとこのような構造が出来上がります。

リターンキーで戻ってMain MenuからEdit Atom Bondを選んでさらにErase Atomsを選びます。そして消去する原子に赤丸をつけておいて、

OKボタンを押します。

そしてメニューからMakeBondを選んで二つの炭素をつなぎます。ついでにANからシクロヘキセンへも結合を作っておきます。

このように強引に作った構造なので水素と水素がほとんどくっついた状態になります。そしてReturnボタンで戻り次はMainMenuからCleanを選択します。

UnitCyclesを100から1000に変えます。次にMM計算に含めない原子を選択して行きます。この場合遷移状態のラジカルのヘッドの部分とモノマーの2重結合の部分は計算から除外します。そしてcalcボタンを押します。

何回かCalcボタンを押すとすぐにそれ以上構造やエネルギーが変化しなくなります。そのときには先ほどの水素や炭素はちゃんと離れているのが判ると思います。このように遷移状態の部分はそのままに、残りの部分はMMで構造を最適化してあると遷移状態の計算は非常に早く終了します。

ついでにPart Moveの使い方を説明しておきます。

メニューからChange Torsional Angleを選び4つの原子を指定します。この4つのうち内側2つの原子で挟まれた結合を中心に3-4原子に結合している原子すべてが回転します。その際にはShiftキーを押しながらドラッグします。

振動解析で虚の振動が2個現れたときなどにその振動にそって原子団を動かしたりするときに使います。

最後にGetStrucボタンで構造を取り出しMOPAC計算を行います。

しかしこのWebバージョンではGetStructボタンは無効になっています。


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