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2021.9.27

MAGICIAN(MAterials Genome/Informatics and Chemo-Informatics Associate Network)養成講座

水素製造に関しては、「機能性不均一系触媒の開発と効率的化学変換法への展開」という博士論文に次のような結果が載っています。

この触媒は、Pt/Carbonです。
カーボンがマイクロ波をとてもよく吸収して高い温度になるのは良いとして、何故基質によって収率が大きく異なるのでしょうか? ついつい、触媒と担持体が同じなので、基質がどれだけMWをよく吸収して高い温度になるか?を考えたくなります。

Yieldと到達温度の相関を取ると次のグラフになります。

Isoquinoline, 1,2,3,4-tetahydo-を除くと、それなりの相関があるように見えます。
ところがその相関は、最初思い描いていたものと全く逆です。

マイクロ波で昇温しない化合物の方が収率が高くなっています。
ある意味当たり前で、炭素自体はマイクロ波で970.8℃まで昇温すると予測されるので、有機物自体が何度になるかは全く効いていなくても構わないと言う事でしょう。

それでは、この差がどこからきているのかを、変数選択の重回帰法で調べてみましょう。
到達温度も含めたYMBの計算結果から変数を1つ選ぶと(単回帰)臨界圧力が選ばれました。
変数を2つに増やすと、totHSPとStdGibbsEoFormation(ギブスの標準生成エネルギー)が選ばれました。2個以上にした場合もStdGibbsEoFormationは必ず入ってきます。

この反応は、

RH(原料) ⇨ R(生成物) +H2

と水素を作る反応です。H2のガス状態でのギブスの標準生成エネルギーは単体なので0とすると、

ΔG= R(生成物)のギブスの標準生成エネルギー - RH(原料)のギブスの標準生成エネルギー

が反応の起こりやすさを示すことになります。
これは生成物をYMBで計算すればすぐに得ることができます。 自分でチェックして見ましょう。

ハンセンの溶解度パラメータの総和(totHSP)は活性炭への吸着の仕方を表しているのでしょうか。

活性炭への室温での吸着量に関しては次のようなデータがあります。
これをYMBとYSBで解析することによって吸着量の予測式を作成することはできます。

ところが、結果が非常に不安定なのと、温度が全く異なることから、吸着量の予測式は使い物になりませんでした。

「基質の違いによる収率の違い」はもう少し検討の余地がありそうです。

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