Pirika logo
JAVA,HTML5と化学のサイト

Pirika トップ・ページ

Pirikaで化学
 物性化学
 高分子化学
 化学工学
 分子軌道
 情報化学

 その他の化学
 アカデミア
 MOOC講義資料
 プログラミング

ハンセン溶解度パラメータ(HSP):
 HSP基礎
 HSP応用
 ポリマー
 バイオ・化粧品
 環境
 物性推算
 分析
 化粧品の処方設計
 その他
 自分でやってみよう

雑記帳

代理購入?
英語で諦めていませんか?HSPiPの代理購入なら映像工房クエスチョンへ。すぐにお見積りします。
(日本語ドキュメントサービス中)。Mail

 

Ad Space for you

 

 

 

Last Update

25-May-2017

MOOC | 有機EL素材

講義資料 非常勤講師:山本博志 2012.8.27

有機EL

最近、韓国のサムスンやLGが年内に55inchの有機ELテレビを売り出す、パナソニックソニーは連合を組んで巻き返しを図るとニュースで騒がしい。詳しい事は専門家に任せておいて、有機EL材料の溶解性について特許を調べてみよう。Googleで”溶解性 イリジウム 有機EL”と検索すると、「良溶解性イリジウム錯体及び有機EL素子」という特許が見つかるだろう。(この特許は高砂香料と日本放送協会のものだ。何故だか知らないが日本放送協会は他にも特許を単独出願している。)分子のお絵描きの例題にこのデータを解析してみよう。

この特許では、基本的な構造は上にしめすもので変わらない。イリジウムの周りにはピリジン性の窒素が2つ、ケトン酸素が2つだ。YMB12Eを使って、分子を描き、propertiesボタンを押すと

各原子上の電荷は計算されるが、物性値は計算されない。それは中心のIrの物性推算用パラメータが無いため計算できないからだ。(電荷計算は全ての原子で計算できる。)そこで中心部分は全て同じなので、周りの配位子だけを計算する事にする。

(HSPiPユーザーは自分でやってみよう。)

Drag=回転, Drag+Shift キー=拡大、縮小, Drag+コマンドキーかAltキー=移動。

もしiPadやChrome、Safari (iPad/iPhoneのMobile Safari)、FireFoxなどのHTML5対応のブラウザーをお使いなら、上にキャンバスが現れるだろう。 溶媒をクリックすれば溶媒の名前が現れる。

どの溶媒がどの領域を溶解しているかを、溶媒をクリックしながら確認して欲しい。

1-1

1-2

1-3

1-4

ここまでは、ジケトンの側が修飾されている。従って、

ジケトンを構造を変えながら4種類計算すれば良い。

 

そして、

1-5

1-6

では、芳香族の方に修飾基をつけて計算すれば良い。

部分に分割した配位子の物性値を計算する。計算ボタンを押すと以下の物性値を計算する。
MW:分子量、BP(K):沸点、MP(K) :融点
AntA AntB AntC:アントワン蒸気圧定数
Tc(K) Pc(Bar) Vc(cm^3):臨界定数 
logKow:オクタノール/水分配係数、logS:水への溶解度
log(HenryC):ヘンリー定数
Mol Volume:分子体積、Mol Surface:分子表面積、Ovality:卵形度
Density:密度、Hv(@BP)  :沸点に於ける蒸発潜熱
Hansen totHSP、dD、dP、dH:ハンセン溶解度パラメータ 
Heat Capacity(Liq.):熱容量、 log Viscosity(Liq.);粘度 
Thermal Conductivity(Liq.):熱伝導度、Surface Tension(Liq.):表面張力
Refractive Index:屈折率、Heat of Formation:生成熱
Max plus Charge atom:最大+電荷、 Min minus Charge atom:最小ー電荷 、Formula:分子式

芳香属骨格3種類、ジケントン骨格5種類をYMBを使って計算しておく。


得られている物性値は例えば、トルエンに対する溶解度だ。1-4から1-5の化合物は溶解度が特に大きい。基本骨格のYやジケトンにアルキル鎖がついたものは溶解度がたいして大きくならない。つまりフェニルーピリジンのフェニル側に置換基をつけると溶解度は非常に高くなる。ジケトンの側はケトンを一つエステルにすると溶解度が大きくなることが構造式を見るだけでわかる。

YMBでは様々な物性値を推算するが、ここでは溶解度を扱うためにハンセンの溶解度パラメータの計算結果だけを抜き出してみよう。(それは、ハンセンの溶解度パラメータは混合則がはっきりしているからだ。他の物性値は混合則が明らかでないものが多い。)

配位子 Mol Volume33 Hansen dD33 Hansen dP33 Hansen dH33 Hansen dHdo33 Hansen dHac33
Ph-Pyr 144.96 19.4 4.8 4.7 0 4.7
Ph-PydC6 243.87 18.2 3.3 2.9 0 2.9
Ph-PydC10 310.07 17.8 3.1 3 0 3
Ph-PydC5 228.91 18.1 3.2 3.4 0 3.4
KKC9-1 234.82 16.5 5.5 3.3 0 3.3
KKC9-2 367.29 16.4 3.8 2.5 0 2.5
KKC12 301.45 16.4 4.2 2.6 0 2.6
KKOC12 293.49 16.4 3.8 3.6 0 3.6
KK 102.35 17.2 11.7 6.2 0 6.2

ハンセンの溶解度パラメータでは、複数の溶媒の混合溶解度パラメータは体積分率で計算される。

混合溶媒のHSP

[dDm, dPm, dHm]=[(a*dD1+b*dD2), (a*dP1+b*dP2),(a*dH1+b*dH2)]/(a+b)

混合比率は体積で計算する。

Pirikaの混合溶媒を設計するJAVAアプレット・デモ、GSDはこちら。
dHをdHdo,dHacに分割した混合溶媒の探索は最新の研究はPowerToolsのプログラムで紹介している。どのような方向に進化しているのか知りたければ覗いてみて欲しい

各イリジウム錯体の混合HSPは以下のようになる。

Code name Hansen dD33 Hansen dP33 Hansen dH33 Volume 溶解度 log(溶解度)
N1-1 2*(Ph-Pyr)+KKC9-1 18.1 5.1 4.1 524.7 3 0.477
N1-2 2*(Ph-Pyr)+KKC9-2 17.7 4.2 3.5 657.2 5.2 0.716
N1-3 2*(Ph-Pyr)+KKC12 17.9 4.5 3.6 591.4 5 0.699
N1-4 2*(Ph-Pyr)+KKOC12 17.9 4.3 4.1 583.4 18.7 1.272
N1-5 2*(Ph-PydC10)+KK 17.7 4.3 3.5 722.5 29.3 1.467
N1-6 2*(Ph-PydC6)+KK 18.0 4.8 3.5 590.1 18.4 1.265
Y 2*(Ph-Pyr)+KK 18.8 6.6 5.1 392.3 0.08 -1.097

このHSPと実溶解度の関係をQSPR式で表してみよう。

QSPR式=A*dD -B*dP -C*dH+D*Volume -E
A-Eまでの係数は重回帰法を用いて自分で求めてみよう。

dDは溶解度を大きくし、dPとdHは溶解度を下げる方向である事が分かる。トルエンの溶解度パラメータはdPやdHが小さく、似たものは似たものを溶かすという原理で考えると、dPとdHは小さいものの方が好ましいことがわかる。

ITOの上にPEDT:ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)、PSS:ポリスルホスチレンをスピンコートした上に、こうして合成されたイリジウム錯体(ホスト材料)と2-1に示すゲスト材料と電子輸送材料とを47:6:47の質量比で混合したものを1,2-ジクロロエタンに溶解してスピンコートする。

トルエンのハンセンの溶解度パラメータ(HSP)は[18, 1.4, 2]で1,2-ジクロロエタンのHSPは[18, 7.4, 4.1]であるので、1,2-ジクロロエタンのdP, dHはトルエンに比べると大きい。これは、電子輸送材料(OXD-7)

の極性が高く、3者を溶解するにはトルエンでは不適切なためではなかろうか。OXD-7の構造を描いてHSPを計算してみよう。

他の特許を見ると、発光体が低分子の場合は蒸着法、高分子の場合は塗布法が用いられるとある。蒸着法は大型ディスプレーには適さない。膜厚のコントロールが難しく、原料の無駄が多いからだそうだ。塗布法ではインクジェット(2012年講義資料)が使われるが、大面積に均一に塗布するには改善が必要とされている。

こうした、インクを作って塗布するという観点から、印刷関係の会社からの特許も非常に多い。大日本印刷、凸版印刷、セイコーエプソン、キャノンなどだ。インクジェットの利用にはインクの粘度に関する知見が欠かせない。2011年講義資料のポリマーの固有粘度の説明はよく読むように。

こうした発光材料の問題点はその寿命だ。酸素や水には弱い。酸素を遮断するにはどんなポリマーが良いか?は2011年講義資料の高分子を参照してみよう。1,2-ジクロロエタンは経口LD50ラットが670と小さく、毒性の高い溶媒だ。2011年講義資料のシックハウス原因物質のページを参照にして、他の溶媒に置き換えることを考えなくてはならないかもしれない。

こうしたイリジウム錯体を合成するのは、次の反応式に従う。できあがた粗液には原料や副生成物が混じっているので、精製しなくてはならない。これは化学工学が最も得意とする分野だ。

特許ではシリカゲルカラムで精製し、さらにヘキサン/ジクロロメタンから再結晶し、さらに昇華精製するとある。カラム精製に関しては2011年講義資料の抽出を参考にするように。再結晶操作に関しては2011年講義資料でイブプロフェンの再結晶で説明した。ジクロロメタンを何故使っているのだろうか?2012年講義資料、グリーンソルベントを参照にするように。

化学工学のとしては、分離操作(溶解、抽出、再結晶)、物性値としては溶解度、粘度、表面張力が重要である。

 

液晶

液晶につては、別ベージに移動 全面的に改定 2014.7.17

CNT薄膜トランジスタ

東レの、半導体ポリマーと単層カーボンナノチューブ(Carbon Nano-Tube :以下「CNT」)を複合化することにより、世界最高レベルの性能を示す塗布型CNT薄膜トランジスタ(CNT-Thin Film Transistor :以下「CNT-TFT」)の開発に成功という記事が出ていた。電子ペーパー等ディスプレイ用途での採用を目指しているらしい。インクジェットなどの塗布方法(2012年講義資料)で均一な単層CNT分散薄膜を形成できるようになり、高いTFT特性が可能となったそうだ。

カーボン材料については2011年講義資料Pirkaのハンセン溶解度パラメータの資料を参考にするように。CNTのイオン液体とのゲル体は2012年講義資料を参照。半導体ポリマーについては、Pirikaの硫黄系のポリマーの資料を参考にするように。

この、東レの特許を調べてみよう。JP 2010-18696がわかりやすいだろう。
「カーボンナノチューブ分散溶液、有機半導体コンポジット溶液、有機半導体薄膜ならびに有機電界効果型トランジスタ」表面の少なくとも一部に共役系重合体が付着したカーボンナノチューブおよび一種類以上の溶媒を含有するカーボンナノチューブ分散溶液であって、 該カーボンナノチューブ分散溶液に含まれる各溶媒の双極子モーメントが3.5Debye以下であり、かつ、 沸点が150°C以上である溶媒を全溶媒中50体積%以上含有するカーボンナノチューブ分散溶液。


チオフェン系重合体は、CNTとチオフェンの相互作用を阻害しにくい短い側鎖構造を有していることが好ましく、CNTを溶媒中により長期間安定に分散させることができることから、上記一般式で表されるチオフェン系重合体が特に好ましい。

実施例はこのようになる。各溶媒をYMBを使って計算してみよう。(THN:テトラヒドロナフタレン、o-DCB:オルトジクロロベンゼンのKB値を2012年講義資料のグーンソルベントを参照に考えてみよう)混合溶媒の場合には体積分率から溶媒のHSPを計算してみよう。CNT、硫黄系のポリマーのHSPと溶媒のHSPを比べてみよう。特許では溶媒の双極子モーメントを問題にしているが、ハンセンの溶解度パラメータは分極項(dP)がダイポールモーメントから誘起される分子間力となる。dPで比較してみよう。ダイポールモーメントについてはPirikaのこちらの資料を参照のこと。

東レの特許(JP 2008-120999)ではさらに

末端にピレン骨格をつけたものもクレームされている。Pirikaのこちらのページで、ピレンとCNTの溶解性について確認しよう。

 

E-Ink

E-Inkは別ページに移動 (2014.7.21)

 

自分でやってみよう(DIY)トップページへ戻る。

 

メールの書き方講座