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ハンセン溶解度パラメータ・ソフトウエアー(HSPiP)の購入方法とインストール

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Last Update
27-May-2017

アプリケーション・ノート#38
HSP応用:ハンセンの溶解度パラメータ(HSP)と対応状態原理:対応状態原理(Law of Corresponding State)を使うと様々な熱力学物性を化合物に特有のパラメータを使うこと無く推算できる。何故それが可能になるかというと、臨界点(臨界温度、臨界圧力、臨界体積)を使った還元値を使うと推算式がこの還元値だけで表すことができるためだ。HSPも同様で、HSPベクトルを比較できるのは、HSPの原点は蒸発潜熱がゼロになる臨界点であるからに違いない。

2010.7.26

HSPiP Team Senior Developer, 非常勤講師 山本博志

 

対応状態原理(Law of Corresponding State)

van del Waalsの 状態方程式 (P + a/v2)(v - b)=RT
a: 分子間に働く弱い引力
b: 体積の除外項

この式に臨界点 (Tc, Pc, Vc) を入れると

a=3PcVc2, b=Vc/3 と求まる

VDW方程式は
(Pr + 3/Vr2)(Vr - 1/3)=(8/3)Tr
と書く事ができるが、この式には分子固有のパラメータ、a,bが含まれない。
(Pr=P/Pc, Vr=V/Vc, Tr=T/Tc 還元値と呼ぶ)

これを図で表すと下のようなる。

Tc:514K
Pc:6.137MPa
Vc:168cm^3
Tc:507.6K
Pc:3.059MPa
Vc:371cm^3

このように、臨界値と還元値があれば、熱力学的な物性値の多くは推算することができる。推算は一つの式で表す事ができ、分子固有のパラメータは必要としない。(とはいっても、臨界点と沸点は分子固有のパラメータではあるが)

例えば蒸気圧は下のような式で推算する事ができる。

Ex. 蒸気圧の推算

Ln ( P / Pc ) = h (1 - 1 / Tr )

h = Tbr * ln(Pc) / (1-Tbr)

P: 蒸気圧
Pc: 臨界圧力
Tc: 臨界温度
Tr: 測定温度 / 臨界温度 (還元温度と呼ぶ)
Tbr: 沸点/ 臨界温度
P/Pc : 還元圧力

このように、臨界点と沸点を使うことによって、どんな化合物であっても同じ式で蒸気圧を表すことができる。

下に示すような、多くの推算式が構築されている。従って物性推算にとっては臨界点沸点の情報は非常に重要である。

対応状態原理による物性推算では、沸点と臨界点の情報は非常に重要!

Pirikaでの沸点と臨界点を用いた物性推算

蒸気圧 Riedel Method
蒸発潜熱

Pitzer-Carruth-Kobayashi method

熱伝導度 Pirika Neural Network method
粘度 Pirika Neural Network method
表面張力 Pirika Neural Network method
密度 Yen-Woods

しかし、これらの物性値はほとんど増えていない。有名なデータベース、Dipper 801を調べてみると、臨界温度で、1/3、臨界圧力では1/4程度の実験値しかない。

Experimental data Predicted data Unknown source
Boiling point 1128 149 35
Critical Temperature  420 850 4
Critical Pressure    324 953 4
Critical Volume  269 1011 9

測定が高温になる事、高温では分子の分解が問題になる事から、臨界点の実験値がこれ以上増える事は期待できない。

 

沸点や臨界定数の推算法

様々な物性推算式が構築されているが、実は沸点の推算すら容易ではない。

ところで、ハンセンの溶解度パラメータは熱力学的な物性値であるのに、臨界点を使わずに溶解度を推算している。

ハンセン溶解度パラメータ(HSP)

ハンセンの溶解度パラメータ(HSP)は、ある物質がある物質にどのくらい溶けるのかを示す溶解性の指標です。ヒルデブランドのSP値と異なり、溶解性を多次元のベクトルで表し、そのベクトルが似ているもの同士は溶解性が高いと判断します。”似たものは似たものを溶かす”、”似たものは似た所にいたがる”というのがHSPの基本です。このベクトルは[分散項、極性項、水素結合項]で表されます。分散項はファンデルワールスの力、極性項はダイポール・モーメントの力、水素結合項は水、アルコールなどが持つ力です。(さらに水素結合項をドナー、アクセプターに分割すると4次元になります。)


”似たものは似たものを溶かす”と言う単純な考え方で、ポリマー、医薬品などがどんな溶剤に溶けるか? 高分子の添加剤がどれだけポリマー中に居やすいか? 匂い物質が鼻の嗅覚細胞にどのくらい溶けるか? 医薬品がレセプターにどのくらい溶けるか? ガスクロやHPLCの充填剤にどのくらい溶解しやすいか? 化粧品の皮膚への溶解性は?などを理解するのに役立っています。

PirikaのHSPを計算するJAVAアプレットのデモ、HSPLightはこちらから。
最新の研究はパワーツールで紹介しています。どのような方向に進化しているのか知りたければ覗いてみてください。

その理論のベースになる蒸発潜熱は、Vetre法、Riedel法とも対応状態原理であるので臨界点を使う。何故、臨界点がいらないのかハンセン先生と議論になった。

先生との結論は、ハンセンの溶解度パラメータは蒸発潜熱をベースにしている。そして蒸発潜熱は臨界点でゼロになる。従って、上の図に示す、ハンセン空間の原点は臨界点となる。(臨界点ではベクトルの長さがゼロになる)そこで、我々は各々のベクトルを同次元で比べる事ができるのではないかという結論に達した。
イメージで表せば、下図のようになる。

臨界点はこれ以上増えないが、HSPは質の高いデータがどんどん集積されている。

HSPiP(Hansen Solubility Parameters in Practice)

HSPを効率的に扱えるように、ハンセン先生とアボット先生がHSPiPというWindows用のソフトウエアー、データベース、電子書籍の統合パッケージを開発されました。これを使うと溶解性に関する様々な疑問に答えてくれます。もちろん材料設計は溶解性だけで決まるほど単純ではありません。そこで、Y-MBという分子を自動的に分割し、様々な物性を推算する機能が付け加えられました。Y-MBはver.4 からはY-Predictというパワーツールとしても提供されています。

概要についてはこちらをお読みください。(2013.1.22)
機能についてはWhat Newをお読みください。
自分が使いたい化合物が計算できるかは使用できる官能基のリストで確認ください。
HSPiPの購入とインストール方法をまとめてあります。
他の会社はどんな使い方をしているのか? 特許をまとめてみました

HSPiPには、可能な限りの臨界点、熱力学物性値を収集している。またPirikaで構築した物性推算式も搭載ししている。それらを利用するには、化合物のSmilesの構造式を準備して、Y-MB機能を使って推算するだけでよい。

Smilesの構造式

分子の水素は書かずに重原子の元素記号だけ線形に表記する。
有機化学用のC, N, O, P, S, F, Br, Cl, Iは角括弧は省略。他の原子には[]をつける。
枝分かれは()を使う。
2重結合は=,3重結合は#で表す。
環状構造は環の結合を一つ切りその両端に1以上の同じ数字をつける。
PirikaのSmiles構造式を得るJAVAアプレットはこちらから
分子の描画によってSmilesの構造式を得るDraw2SmilesがHSPiP Ver.4 パワーツールに搭載されました。

HSPを使った熱力学的物性値の推算に関しては、フランスの CNRS(Center National Research Science)が非常に興味を持ち、コラボが進む事になった。

 

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