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ハンセン溶解度パラメータ・ソフトウエアー(HSPiP)の購入方法とインストール

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Last Update
27-May-2017

アプリケーション・ノート#35
バイオ・化粧品:CACO-2透過度とハンセン溶解度パラメータ(HSP):ある化学物質が生体膜を透過するときのことを考えると、膜への溶解度の大小が透過度を決める最初のステップになっていると考えられる。しかし、logPやlogSとは相関が無い。HSPを使ったQSPR式もいろいろ検討したが、あまり成功しなかった。自己組織化マップを使うと定性的ではあるが、マッピングが可能であった。

2010.4.25

HSPiP Team Senior Developer, 非常勤講師 山本博志

 

Caco-2 の透過度のデータを入手した。
QSAR study of pharmacological permeabilities

この論文では、CODESSA Proというソフトを使って、識別子を発生させ、QSARのモデルを作成している。多くのQSARの論文では、こうした識別子を使ってモデルを構築しているが、自分には何故、透過度を示すのに、分子のHOMO、LUMOが効くのかイマイチ理解出来ない。そこで敢えてハンセンの溶解度パラメータを使って解析してみた。

ハンセン溶解度パラメータ(HSP)

ハンセンの溶解度パラメータ(HSP)は、ある物質がある物質にどのくらい溶けるのかを示す溶解性の指標です。ヒルデブランドのSP値と異なり、溶解性を多次元のベクトルで表し、そのベクトルが似ているもの同士は溶解性が高いと判断します。”似たものは似たものを溶かす”、”似たものは似た所にいたがる”というのがHSPの基本です。このベクトルは[分散項、極性項、水素結合項]で表されます。分散項はファンデルワールスの力、極性項はダイポール・モーメントの力、水素結合項は水、アルコールなどが持つ力です。(さらに水素結合項をドナー、アクセプターに分割すると4次元になります。)


”似たものは似たものを溶かす”と言う単純な考え方で、ポリマー、医薬品などがどんな溶剤に溶けるか? 高分子の添加剤がどれだけポリマー中に居やすいか? 匂い物質が鼻の嗅覚細胞にどのくらい溶けるか? 医薬品がレセプターにどのくらい溶けるか? ガスクロやHPLCの充填剤にどのくらい溶解しやすいか? 化粧品の皮膚への溶解性は?などを理解するのに役立っています。

PirikaのHSPを計算するJAVAアプレットのデモ、HSPLightはこちらから。
最新の研究はパワーツールで紹介しています。どのような方向に進化しているのか知りたければ覗いてみてください。

 

用いた化合物群は、文献にあたった次のものである。

CAS

Name

 

 

 

 

 

 

57-50-1

Sucrose

 

67-56-1

Methyl alcohol

 

599-79-1

Sulfasalazine

129618-40-2

Nevirapine

 

52-53-9

Verapamil

 

103-90-2

Acetaminophen

3930-20-9

Sotalol

 

60142-96-3

Gabapentin

 

62571-86-2

Captopril

50-28-2

Estradiol

 

6452-71-7

Oxprenolol

 

51-34-3

Scopolamine

58-22-0

Testosterone

 

13655-52-2

Alprenolol

 

75847-73-3

Enalapril

50-24-8

Prednisolone

 

37350-58-6

Metoprolol

 

738-70-5

Trimethoprim

50-23-7

Hydrocortisone

 

23031-25-6

Terbutaline

 

60-80-0

Antipyrine

57-83-0

Progesterone

 

30516-87-1

Zidovudine

 

50-53-3

Chlorpromazine

50-22-6

Corticosterone

 

37517-30-9

Acebutolol

 

56-75-7

Chloramphenicol

39562-70-4

Nitrendipine

 

34841-39-9

Bupropion

 

 15722-48-2

Olsalazine

72509-76-3

Felodipine

 

15687-27-1

Ibuprofen

 

70458-96-7

Norfloxacine

83-43-2

Methylprednisolone

22204-53-1

Naproxen

 

23214-92-8

Doxorubicin

50-02-2

Dexamethasone

6673-35-4

Practolol

 

81-81-2

Warfarin

33419-42-0

Etoposide

 

29122-68-7

Atenolol

 

126-07-8

Griseofulvin

466-06-8

Proscillaridin

 

637-07-0

Clofibrate

 

22071-15-4

Ketoprofen

114-07-8

Erythromycin

 

525-66-6

Propranolol

 

28797-61-7

Pirenzepine

59865-13-3

Cyclosporine

 

57-66-9

Probenecid

 

36322-90-4

Piroxicam

73384-59-5

Ceftriaxone

 

42200-33-9

Nadolol

 

15307-86-5

Diclofenac

54-31-9

Furosemide

 

42399-41-7

Diltiazem

 

57-41-0

Phenytoin

66357-35-5

Ranitidine

 

54910-89-3

Fluoxetine

 

79660-72-3

Fleroxacin

127779-20-8

Saquinavir

 

137-58-6

Lidocaine

 

58-93-5

Hydrochlorothiazide

59277-89-3

Acyclovir

 

51-43-4

Epinephrine

 

74103-06-3

Ketorolac

126222-34-2

Remikiren

 

77-10-1

Phencyclidine

 

91-64-5

Coumarin

59-05-2

Methotrexate

 

88495-63-0

Artesunate

 

5786-21-0

Clozapine

51481-61-9

Cimetidine

 

36894-69-6

Labetalol

 

4205-90-7

Clonidine

116644-53-2

Mibefradil

 

57-13-6

Urea

 

439-14-5

Diazepam

26839-75-8

Timolol

 

58-15-1

Aminopyrine

 

58-94-6

Chlorothiazide

13523-86-9

Pindolol

 

87-08-1

Penicillin V

 

298-46-4

Carbamazepine

71125-38-7

Meloxicam

 

5051-62-7

Guanabenz

 

81-07-2

Saccharin

56-54-2

Quinidine

 

26787-78-0

Amoxicillin

 

 

 

53-86-1

Indomethacin

 

54-11-5

Nicotine

 

 

 

58-08-2

Caffeine

 

28395-03-1

Bumetanide

 

 

 

19216-56-9

Prazosin

 

50-78-2

Acetylsalicylic acid

 

 

58-55-9

Theophyline

 

51-61-6

Dopamine

 

 

 

22916-47-8

Miconazole

 

69-72-7

Salicylic acid

 

 

 

25614-03-3

Bromocriptine

 

50-49-7

Imipramine

 

 

 

63590-64-7

Terazosine

 

148-82-3

Melphalan

 

 

 

43200-80-2

Zopiclone

 

50-47-5

Desipramine

 

 

 

65277-42-1

Ketoconazole

 

15676-16-1

Sulpiride

 

 

 

78755-81-4

Flumazenil

 

66-22-8

Uracil

 

 

 

まず、化合物のCASを調べて、その化合物のSmilesの構造式を入手した。

Smilesの構造式

分子の水素は書かずに重原子の元素記号だけ線形に表記する。
有機化学用のC, N, O, P, S, F, Br, Cl, Iは角括弧は省略。他の原子には[]をつける。
枝分かれは()を使う。
2重結合は=,3重結合は#で表す。
環状構造は環の結合を一つ切りその両端に1以上の同じ数字をつける。
PirikaのSmiles構造式を得るJAVAアプレットはこちらから
分子の描画によってSmilesの構造式を得るDraw2SmilesがHSPiP Ver.4 パワーツールに搭載されました。

Smilesの構造式があると、HSPiPは簡単に、どんな原子団が何個あるか吐き出してくれる。

HSPiP(Hansen Solubility Parameters in Practice)

HSPを効率的に扱えるように、ハンセン先生とアボット先生がHSPiPというWindows用のソフトウエアー、データベース、電子書籍の統合パッケージを開発されました。これを使うと溶解性に関する様々な疑問に答えてくれます。もちろん材料設計は溶解性だけで決まるほど単純ではありません。そこで、Y-MBという分子を自動的に分割し、様々な物性を推算する機能が付け加えられました。Y-MBはver.4 からはY-Predictというパワーツールとしても提供されています。

概要についてはこちらをお読みください。(2013.1.22)
機能についてはWhat Newをお読みください。
自分が使いたい化合物が計算できるかは使用できる官能基のリストで確認ください。
HSPiPの購入とインストール方法をまとめてあります。
他の会社はどんな使い方をしているのか? 特許をまとめてみました

 

それを用いて重回帰計算を行ったところ、下のような図を得た。

このことは、原子団の数からだけで、logPapp(Caco-2)の値が推算できることを示しており、HOMOやLUMOの値を使わなくてもいいことがわかる。

 

論文で使っている他の指標、分子体積, logP, logS も logPapp(Caco-2)とは直接的な相関はないようだ。

 

そこで、ハンセンの溶解度パラメータの値を使って自己組織化ニューラルネットワーク法(SOM)で調べてみた。

SOM: Self Organization Map Neural Network 
(N次元のベクトルを2次元にマップする方法)

HSPのような多次元ベクトル(分散項、分極項、水素結合項+体積など)が溶媒の数だけあったときに、その多次元ベクトルが似ているものは似た2次元位置に配置したい。3次元までは実際の3次元位置に配置すれば、どれとどれが近いかは簡単にわかる。SOM法を使うと、自己組織化をおこし、自ずから似たベクトルが集まってくる。2次元中のある領域に集まったベクトルは、似たような性質をもつと考えられる。

PirikaのSOMを表示するJAVAアプレットのデモ、SOMDemoはこちら

-4.0> 青の領域 > -5.0. 平均 [19.1, 7.1, 7.3]
-6.0> オレンジの領域 >-7.0. 平均 [19.5, 12.8, 13.8]

No. 10, Ranitidine
[17.8, 7.8, 7.8]
No. 22, Cimetidine
[17.8, 12.1, 6.1]

この2つの化合物は青の領域に居ながら -5.0 > logPapp(Caco-2) であった。
これは (-NH)2C=N の原子団のパラメータが悪いのかもしれない。dPかdHの値がもう少し大きくなるように思える。HPLCのデータでもあれば、新たな原子団が定義できるのだが。

No. 37
[17.8, 8.9, 14.9]
No. 67
[20.9, 17.7, 14.1]
No. 70
[20.1, 14.4, 12.5]
No. 73
[19.5, 10.5, 14.2]

この4つの化合物はオレンジの領域に非常に近い化合物であるが、 -5.0 < logPapp(Caco-2) となっている。これらの化合物も分子が複雑でHSPの推算値があまりよくないのかもしれない。他のものについては、だいたい合うようなので、ある任意の化合物のHSPの値があれば、このSOMを使えば、 logPapp(Caco-2) がどの位なのかを判定することができる。

こうした結果は定量的解析ではなく、定性的解析になる。しかし現象を正しく認識するには、こうした解析も有効なことが多い。

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