次世代ハンセン溶解度パラメータ(HSP2) 混合溶媒の混合則

次世代ハンセン溶解度パラメータでの溶媒混合則の話です。
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これまでの溶媒の混合則では、混合溶媒のHSPは体積平均になります。 従って、2成分のHSPは体積比率に対して直線になります。 この方法で貧溶媒同士の溶媒混合物が良溶媒になることも確かにあります。
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ところが、今年の1月にリリースしたHSPiPに搭載のY-MB24では、直線にはなりません。 やっと、ExcelのTypeScriptで新しい溶媒混合則が計算できるようになりました。 実際にやってみます。
Excel
実際にはHSPiPの10KDBの化合物全てで計算できるのですが、デフォルトの最適化用溶媒をプルダウンメニューに組み込んであります。 アセトンとクロロホルムを選択して計算ボタンを押すと、Office Scriptが新しい混合則で計算を行います。 結果をコピーしてまとめのページにペーストすると組成に対するHSPが得られます。 同じようにエタノールとヘプタンを計算すると次のようになります。
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いくつか試したところ、デルタDはほぼ直線でした。 デルタP,デルタHは溶媒によって大きな影響を受けます。 まだ、感触でしかないのですが、どうも電子供与性と電子受容性によって変化しているような感じがしています。
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旧来の混合則は理想溶液としての混合です。 正則溶液ぐらいでは大きな影響がないです。 しかし、実際の混合溶媒は、正に、負にずれます。 この新しい混合則はHSPiPには搭載されませんが、溶媒設計には大事な点となります。
お疲れ様 あとはおまけのASOG法との比較です
ブラウザー
実際にASOG法で計算してみましょう。 ASOG法というのは、Analytical Solution of Groupsという日大の栃木先生が開発してきた気液平衡のソフトです。溶媒のペアを指定して、ASOGのパラメータを読み込み計算を行います。 計算は温度一定で行います。計算結果をエクセルに戻します。 同じように、エタノール/ヘプタンを計算します。
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Y-MBの新しい混合則とASOG法を比較してみると理想溶液でない現実の混合溶媒を考える上で多くの知見を与えてくれます。 アセトンークロロホルム系は強く相互作用して混合蒸気圧が小さくなります。 活量係数が1以下になります。
エタノール-ヘプタン系は性質が大きく異なるときに、相手を弾き出す強い力が働きます。 こうした時に理想溶液に近似してはいけないと思っています。
次世代ハンセン溶解度パラメータHSP2のパーツがだいぶんと揃ってきました

Data Builder
DXによるHSP用データの生産性向上
https://youtu.be/rYRH3zz11ZU
Sphere Viewer 24
界面活性剤のハンセン溶解度パラメータ(HSP)はいくつ? https://youtu.be/JF7kwqfxC18
Sphere Calc 24
誰か作ってくれ!肥満改善薬!
https://youtu.be/ptaTW1D_Mt8