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2012.5.24
(古い資料です。継ぎ足していきますのでしばらくお待ちください。)
2008年12月にHSPiPが発売になり、日本での特許にどのくらいHSPが使われているのか、Hansen先生が知りたがっていたので調べてみた。取り敢えず、2009-現在(2012)のもの。徐々に日本の会社のものが増えているようだ。
特許 | 発明 | タイトル | 要約 | HSPの範囲 |
JPB_0004812453 | 昭和電工 | 感光性組成物除去液 | リソグラフィー技術を用いた感光性組成物のパターン形成。顔料を含有する着色組成物の除去 | 5<dH<10 |
JPB_0004776731 | 昭和電工 | 感光性組成物除去液 | 顔料を含有するアクリル系感光性組成物の除去。 | 5<dH<10 |
JPB_0004463841 | 東京応化工業 | 洗浄除去用溶媒 | ブラックマトリッ クスパターン形成用感光性樹脂組成物の洗浄除去用溶剤 | 5<dH<10 |
JPB_0004005092 | 東京応化工業 | 洗浄除去用溶媒 | カラーフィルターを形成するためのカラーフィルター形成用感光性樹脂組成物の洗浄除去用溶剤 | 5<dH<10 |
JPB_0003412111 | ザ、プロクター、エンド、ギャンブル、カンパニー | 洗濯物の汚れ処理組成物、及び処理法 | 非水性の疎水性溶剤を3-90重量%含む洗浄組成物 | dH<18, dP<8 |
JPB_0003093279 | ザ、プロクター、エンド、ギャンブル、カンパニー | 編織布の洗浄法 | 汚れや染みを吸収性層に吸収させる。 | dH<18, dP<8 |
JPB_0003085986 | ザ、プロクター、エンド、ギャンブル、カンパニー | 洗濯物の汚れ処理組成物、及び処理法 | 非水性の疎水性溶剤を3-90重量%含む洗浄組成物 | dH<18, dP<8 |
JPA_2012078190 | 三菱マテリアル | 液体の表面自由エネルギー、ならびに固体と液体の接触角、界面自由エネルギーおよび付着仕事の予測方法 | 液体のハンセン溶解度パラメータを変換して、液体の表面自由エネルギーのパラメータを得る。透明導電膜用組成物または反射膜用組成物インク | |
JPA_2012045502 | 住友化学 | 耐擦傷性樹脂板の製造方法 | 凸状の表面欠陥の発生が抑制された耐擦傷性樹脂板の製造方法。フッ素系化合物を含有する硬化性塗料が9<dP<14の溶媒を含有 | 9<dP<14 |
JPA_2011256382 | ゼロックス・コーポレイション | 特定のハンセン溶解度パラメータを有する溶媒を含む銀ナノ粒子組成物 | 導電性が改良され、析出したときにコーヒーリング効果を示さない導電性金属ナ ノ粒子組成物を提供する。印刷した導電性の 部品を作ることができる | dD>16 dP+dH<8 |
JPA_2011225674 | 旭硝子 | 風力発電機のブレードに用いる表面塗布用塗料組成物、ならびに風力発電機のブレードおよびその製造方法 | ブレード表面に、施工性に優れ、かつ耐擦傷性、耐候性 に優れた塗膜を形成できるフッ素樹脂表面塗布用塗料組成物 | R=4×(δd-15.7)^2+(δp-5.7)^2+(δh-4.3)^2 R<25 |
JPA_2011174044 | キャノン | インク、インクカートリッジ、及びインクジェット記録方法 | 複数の顔料、及び、複数の樹脂を含有す るインク。樹脂Aを構成するユニットのうち水素結合項が最も小さいものをYA、樹脂Bを構成するユニットのうち水素結合項が最も小さいものをYBとしたときYA<YBの関係を満たし、かつ、前記樹脂Aの水素結合項PA、及び、前記樹脂Bの水素結合項PBがPA<PBの関係を満たす | |
JPA_2011174013 | 富士フィルム | インク組成物、インクセット、及びこれを用いた画像形成方法 | 吐出安定性において優れた効果が得られ、かつ硬化性、耐ブロッキング性が良好なインク 組成物 | 重合性化合物(A)のSP値が9-11.5(cal/cm3)^0.5 |
JPA_2011142052 | 日立化成 | 銅導体インク及び導電性基板及びその製造方法 | 基板との密着性が高い導電層を形成可能な銅導体インク | dH<8 dP>11 |
JPA_2011140598 | 日立化成 | ナノ粒子分散液の製造方法、及びインクジェット用分散液 | 分散性に優れ、低粘度なインクジェット用分散液。原料分散媒にナノ粒子を分散、置換分散媒を添加後、原料分散媒を留去。 | dH<8 dP>11 |
JPA_2011079816 | 日本エンバイロケミカルズ | 徐放性粒子およびその製造方法 | 融点が100°C以下であり、2<dP<8、5.5<dH<9.5の抗生物活性化合物を、疎水性の重合性ビニルモノマ ーで溶解し、水分散させラジカル重合する。5<dP<7, 8<dH<10 の重合体を生成し、徐放性粒子を得る。 | 2<dP<8、5.5<dH<9.5 |
JPA_2011040751 | ゼロックス・コーポレイション | 半導体組成物 | 液体溶剤、半導体材料の溶解性を高める溶解促進剤を含む半導体材料を含む、液体組成物。インクジェットで噴射可能な半導体インクが必要 | dD>18, dP+dH<8 |
JPA_2011040336 | コニカミノルタホールディングス | 有機エレクトロニクスパネルの製造方法 | 有機機能層を塗布し、不要領域を払拭方式で除去する。ゴミの発生防止、払拭残りに伴うショート やダークスポットの発生防止、素子寿命かの長寿命化。不要領域を除去する溶媒が、Hansenの溶解度パラメータ、 fd、fp、fh、のプロットが、主な有機機能層を塗布した溶媒のプロットに対して、 少なくとも45ポイント以内の近さであり、且つ、20ポイント以上離れている | |
JPA_2011009685 | AZエレクトロニックマテリアルズ | エッチング液およびそれを用いたトレンチ・アイソレーション構造の形成方法 | 絶縁膜であるスピンオン誘電体膜(SOD膜)をエッチン グするためのフッ酸と有機溶媒を含むエッチング液。 有機溶媒 4<dH<12。 20 °Cの水に対する飽和溶解度が5%以上て。 | 4<dH<12 |
JPA_2011001410 | ナノストラクチャー研究所 | カーボンナノチューブ高配合樹脂粒状物およびその製造法 | カーボンナノチューブの飛散性の大幅な低減とともに加工性・ハンドリング性等の作業性・ポリマーマトリックスとの濡れ性・分散性・導電性・機械的物性を著しく向上させたカーボンナノチューブ高配合樹脂組成物 。非水溶性の溶剤としては、SP値(ハンセン溶解度パラメーター)が9.5以下のものを 用いるのが好ましい。 |
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JPA_2010516907 | ミリケン・アンド・カンパニー | セルロース基体のための新規な白化剤 | チオフェン着色剤を含有する発色団成分及び゚リマー成分を含む白化剤。 dP<=17。液体及び/又は粉末の洗濯洗 剤組成物及びすすぎ用に添加された繊維柔軟剤(RAFS)組成物を含む、洗濯ケア組成物 | dP<=17 |
JPA_2010515838 | ザ、プロクター、エンド、ギャンブル、カンパニー | セルロース基材用増白剤を含む洗濯ケア組成物 | 液体及び/又は粉末洗濯洗剤配合物並びにすすぎ時添加布地柔軟剤(RAFS)組成物を包含する洗濯ケ ア組成物。 | dP<=17 |
JPA_2010513598 | ザ・ボーイング・カンパニー | ゲル状接着剤剥離組成物および使用方法 | 硬い基材か ら接着剤残留物を取除く。1つ以上の非ハロゲン系有機溶媒と、非研磨増粘剤、界面活性剤、蒸気圧調節剤を 含む新規な接着剤剥離組成物。 | 非ハロゲン系有機溶媒 14< tot HSP <24 |
JPA_2010508546 | ジョンソン・アンド・ジョンソン・ビジョン・ケア | 透明で、湿潤性のシリコーンヒドロゲル製品の形成方法 | 少なくとも一つのシリコーン含有成分、少なくとも一つの親水性成分、および、約2と約7との間のハンセン溶解度パラメータδPを呈する少なくとも一つの希釈剤を含む、コンタクトレンズ等の眼用レンズを製造するための方法 | 希釈剤 2<dP<7 |
JPA_2010508389 | ジョンソン・アンド・ジョンソン・ビジョン・ケア | 透明で、湿潤性のシリコーンヒドロゲル製品の形成方法 | シリコーン含有モノマー 、親水性モノマー、2<dP<7のプロトン化済みの希釈剤またはプロトン化可能な希釈剤を含む反応性混合物を硬化。dPを変更し水溶性を向上。希釈剤を除去 | 希釈剤 2<dP<7 |
JPA_2010506892 | ロレアル | 人の毛髪を着色するための天然染料の使用 | 一つ以上の天然染料及び dH<15のアルコール、 エーテル、またはエステルから選択される一つ以上の有機溶媒を含む、ケラチン線維、特 に毛髪の着色用組成物 | dH<15 |
JPA_2010208073 | キャノン | インクジェット記録方法及び記録装置 | 顔料、変性シリコーンオイル及び樹脂を含有するインク2種類。インクの吐出量を制御。記録画像はすべり性を発現し耐擦過性 の向上が達成できる。水素結合項(δh)を考慮することで、その樹脂が水性媒体と共に記録媒体の内部に 浸透するか、又は記録媒体上に残って定着するか、を判断できるという知見を得た | 樹脂を構成するモノ マーの溶解度パラメーターより算出される樹脂の水素結合項が1.0cal0.5/cm1.5 以上1.5cal0.5/cm1.5以下の樹脂。 Krevelen法 |
JPA_2010153772 | リコー | 薄膜トランジスタアクティブ基板、薄膜トランジスタアクティブ基板の製造方法および電気泳動ディスプレイ | 保護層を設けた有機トランジスタアクティブ基板。樹脂とフィラーは、エチレングリコー ル、あるいはEGとアルコール溶剤との混合溶剤に、溶解または分散可能。SPoが14以上の範囲内にある溶媒中に、樹脂またはフィラーが溶解または分散できていれば、層間絶縁膜形成するときに下地の活性層またはゲート絶縁膜への溶解を概ね抑えることができる。 | 溶解度パラメーター(SPo※ 単位(√(cal/cm3))) 好ましく は13以上の範囲内、さらに好ましくは14以上の範囲内にある溶媒 |
JPA_2010100728 | キャノン | 顔料インク、インクジェット記録方法、インクカートリッジ、記録ユニット、及びインクジェット記録装置 | インクの信頼性や吐出特性が良好、耐擦過性を実現できる顔料インク。樹脂を構成するモノマーの溶解度パラメーターより算出される樹脂の水素結合項(δh) が1.0cal0.5/cm1.5以上3.7cal0.5/cm1.5以下 | (δh) が1.0cal0.5/cm1.5以上3.7cal0.5/cm1.5以下 |
JPA_2010097808 | 日立化成 | 低粘度分散液、これを用いた銅ナノ粒子配線及び複合材料 | 銅ナノ粒子の耐酸化、耐融着、分散に必須で あった分散剤をほとんど用いない低粘度分散液。金属超微粒子の凝集体がインクジェットノズルを目詰まり | dP>11 |
JPA_2010053308 | キャノン | 顔料インク、インクジェット記録方法、インクカートリッジ、記録ユニット、及びインクジェット記録装置 | 特定の変性シロ キサン化合物と樹脂とを含有させることで、優れた耐擦過性。水素結合項(δh) が1.0cal0.5/cm1.5以上3.7cal0.5/cm1.5以下である樹脂A、1.0c al0.5/cm1.5以上1.5cal0.5/cm1.5以下である樹脂B | |
JPA_2010046896 | 富士フィルム | クリアインク、インクセット、及びインクジェット記録方法 | カールの発生を抑えつつ、画像の光沢性、耐擦性に優れた画像を記録することができるクリアインク。樹脂粒子、SP値27.5[(cal/cm3)0.5]以下の水溶性有機溶剤(含有率70wt%以上)、及び水を含有 | 25~18[(cal/cm3)0.5]の範囲がより好ましい。単位が間違っている?? |
JPA_2010039260 | AZエレクトロニックマテリアルズ | レジスト層上に積層させるのに適当なコーティング組成物 | R=[(dDP -dDS )^2+(dP -dPS )^2+(dH -dHS )^2]^1/2 により定義されるパラメーターRが7.5以上である有機溶剤を、無機および有機溶剤の総重量を基準として90重量%より多く用いるコーティング組成物。 | R<7.5 |
JPA_2010001347 | キャノン | 顔料インク、インクジェット記録方法、インクカートリッジ、記録ユニット、及びインクジェット記録装置、及びインクジェット記録画像 | 顔料の含有量が低い場合においても耐擦過性が高い顔料インク。樹脂の水素結合項 (δh)が1.0-3.2cal^0.5/cm^1.5 | |
JPA_2009533527 | イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー | 膨潤性および可変形微小球の調整方法 | 高密度、低破壊性、高膨潤能、迅速な膨潤性、および膨潤後の可変形能などの特性を有するヒドロゲル微小球。塞栓形成術などの医学的治療に有用。溶媒置換に混合溶媒のHSPとクロロホルムのHSPの差が小さいものを利用 | |
JPA_2009531194 | シーアールシー フォー アドバンスト コンポジット ストラクチャーズ リミテッド | ポリマー複合部材への機能部材の溶着 | 何らかの熱可塑性表面を有する熱硬化性複合体に、熱可塑性部材を有する機能部材を接合する方法。HSPによって選択された熱可塑性材料は、実質的な半相互浸透型ポリマーネット ワーク(SIPN)の形成によって、熱硬化性ポリマーの表面または熱硬化性材料に、良好に一体化されうる。 | |
JPA_2009511297 | シーアールシー フォー アドバンスト コンポジット ストラクチャーズ リミテッド | 乾燥強化繊維の結合方法 | 強化繊維および半結晶性熱可塑性ポリマー結合材料を含む繊維強化ファブリックまたはプレフォームを提供する。半結晶性熱可塑性ポリマー、熱硬化性ポリ マーは、硬化温度において高度の相溶性を有し、熱硬化性ポリマ ーの硬化以前には部分的に相互侵入可能。PVDFフィルムとエポキシ樹脂で相互拡散 | |
JPA_2009510619 | アスペン テクノロジー インコーポレイテッド | 概念的セグメントモデルを用いて、物理的特性をコンピュータで予測する方法およびそのシステム | 医農薬の固液、相平衡。 | |
JPA_2009241586 | 富士フィルム | 画像記録方法、インクセット、及びインクジェット記録物 | カールの発生を抑えて、再現性の高い画像の記録が行なえる画像記録方法 | SP値13以下。δ[(cal/cm3)^0.5]=(δd2+δp2+δh2)^0.5 |
JPA_2009226598 | 富士フィルム | 画像記録方法、インクセット、及びインクジェット記録物 | カールの発生を抑えて、耐擦過性及び再現性の高い画像の記録が行なえる。SP値が9.5以上の樹脂粒子。SP値が10-14の範囲の水溶性有機溶剤、及び水を含有する水性インク | |
JPA_2009221486 | ジョンソン・アンド・ジョンソン・ビジョン・ケア | 低多分散性ポリHEMA組成物 | 特定の分子量範囲および多分散性を有するポリHEMA組成物。分子量の違うポリマーのHSPを求め、SP値の一つを減少させるような溶媒を加え、ハンセンの溶解球をずらし、分子量分画を行う。 | |
JPA_2009215501 | 日立化成 | インクジェット用低粘度分散液 | コア部が銅であり、シェル部が酸化銅であるコア/シェル構造を有する粒子、又は酸化銅からなる粒子を含むインクジェット用低粘度分散液。分散媒がdH<7, dP>11 | dH<7, dP>11 |
JPA_2009185302 | ジョンソン・アンド・ジョンソン・ビジョン・ケア | 透明で湿潤性のシリコーン・ヒドロゲル物品を形成するための希釈剤 | シリコーン含有の成分と、親水性の成分と、高分子量の親水性ポリマーと、約0.05乃 至約1のアルファ値および約10よりも小さいハンセン (Hansen)溶解度パラメータを有する希釈剤 | |
JPA_2009091491 | キャノン | インクセット、インクジェット記録方法、インクカートリッジ、記録ユニット、インクジェット記録装置、およびインク | 画像を形成した場合に生じるヨレ現象を抑制。樹脂の溶解度パラメーター1.9<dH<2.8 | 1.9<dH<2.8 cal^0.5/cm^1.5 |
JPA_2009024150 | 東洋インキ製造 | 近赤外線吸収材料、これを含む近赤外線吸収組成物およびその用途 | 製造が容易で、溶媒への溶解性、樹脂との相溶性が良好であり、しかも近赤外吸収領域が広く、耐熱性、耐久性に優れた近赤外線吸収材料。バインダー樹脂および前記近赤外線吸収材料それぞれのHSPが7.0<δd<9.0、 0.1<δp<5.5、0.1<δh<5.0 | 7.0<δd<9.0、 0.1<δp<5.5、0.1<δh<5.0 |
思ったよりは少ないが、増え方は急上昇しているように思える。西洋では溶解度パラメータと言えばHSPだったが、日本ではHildebrandのものが主流であったのでしょうがないのかもしれない。PirikaでHSPを紹介し始めてから特許が増え始めたようにも見る事ができ、嬉しい限りだ。ただ会社組織としての認知度が低いせいか、最初の購入は個人で買って、使えると分かってから会社でどんどん買い足していくという例が多い。こうした特許が増えてくれば状況も変わるだろう。
用途としてはインクジェット関連が増えている。印刷用のインクジェットの溶媒については2011年横浜国大講義資料にまとめてあるので参照して欲しい。透明電極用のインク設計に関しては2012年の講義資料にまとめた。合わせて参照して頂きたい。
Pirikaのページを非特許文献に指定する場合には、(公開後)ぜひご一報ください。そのページは固定にします。HPの構成、内容は頻繁に変わります。公知例に使いたい場合も同様です。
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