2010.2.26
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概要
特許に記載のゴキブリの誘引剤を調べてみた。
HSPは似た領域に来ることがわかった。
また、ゴキブリのフェロモンに近いHSPをもつ、香料系の誘引剤もあった。
そうした誘引剤は部屋の中に置くことになるのだろうから、アレルゲンの試験は必須だろう。
内容
ゴキブリの誘引剤について特許を調べてみた。
ゴキブリホイホイの誘引剤は、研究室の試薬にゴキブリが集まっていたことから作られたと聞いたことがある。
ある臭い、フェロモンが、ある反応を引き起こすためには、におい物質が何らかの受容体に溶け込み、その刺激が神経電流に変換され脳に伝わるから起きるという説がある。
そうした、レセプターに何かかが溶け込みやすい、溶け込みにくいというのはどのように決まってくるのだろうか?
実際の匂いの認識は分子の形状、表面電荷の分布、D体、L体の違いなど様々な要因が絡んでくるらしい。
それほど簡単ではないかもしれないが、我々のスタンスは、レセプターのHSPと溶けこむにおい物質のHSPが似ていれば似ているほど溶け込む量は大きくなると考えている。
特許にあった化合物
CAS | Hcode | Name | Smiles |
80-71-7 | 17120 | Cyclotene | CC1=C(C(=O)CC1)O |
118-71-8 | 17281 | 3-Hydroxy-2-methyl-4-pyrone | CC1=C(C(=O)C=CO1)O |
4940-11-8 | 18029 | 3-Hydroxy-2-Ethyl-4-Pyrone | CCC1=C(C(=O)C=CO1)O |
![]() | ||
[18.3, 12.7, 14.9] [18.2, 12.8, 16.6] [17.8, 11.1, 14.4] |
HSPの平均値は [18.1, 12.2, 15.3]となり、良く似ている。
HSPiPのデータベースから以下の条件で探索してみたが、
17.2 < dD < 18.7
11 < dP < 13
14 < dH <17
意外と同じようなHSPの化合物は少なく、上記以外では4つしか無かった。
N-(2-Hydroxyethyl)-2-Pyrrolidone 3445-11-2 | Fragrance 67-47-0 | Fragrance 3658-77-3 |

Fragrance
28664-35-9
ゴキブリの生息地ではこれらの香料は使わない事をお勧めする。

Blattellakuxuinone はゴキブリのフェロモンだそうだ。
HSPは [17.3, 9.6, 7.2]になる。
これに近いものは19化合物あった。
日本でこれを香料に使ったらと思うとぞーっとする。どんな物が相当するかはHSPiPの分子探索機能を使って試して頂きたい。

他の特許では、香料系の誘引剤を使うものもあった。
アニスアルデヒド 123-11-5
これなどは、[19.3, 9.8, 6.8]になる。
かなりフェロモンに近い所にきている。
Drag=回転, Drag+Shift キー=拡大、縮小, Drag+コマンドキーかAltキー=移動。
溶媒をクリックすれば溶媒の名前が現れる。
緑色の球はBlattellakuxuinone 、ゴキブリのフェロモンで、水色の球はアニスアルデヒドだ。位置関係を実際に眺めて頂きたい。
HSPiPを使うと、こうした解析を非常に楽に行うことができる。
こうした化合物を使うときには、それがアレルゲンとして働かないか、調べてから使うのが好ましい
香料系のアレルゲンをSOMを使って解析した例も合わせてお読みいただきたい。
「ゴキブリやバッタの脳組織に強力な殺菌作用があることを、英ノッティンガム大の研究チームが突き止め、英総合微生物学会で発表した。
薬剤が効かない多剤耐性菌が問題になる中、チームは新たな抗生物質の候補として期待を寄せている。」
毎日新聞に書いてあった。
抗菌性のタンパク質だそうだがどうやって取り出すのだろう?
液液抽出でもしたのだろうか?
構造が明らかになれば,HSPを計算してみたいものだ。
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