2025.11.4
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[0. ストーリー]
pirikaのページの中で最も古く(1999年)からあるページだ。試薬カタログを見れば非常に多くの化学構造がある。コンピュータで自動で分子構造を発生させれば無限に近い構造が得られるだろう。分子構造だけから、その物性を予測したい。そしてある目的を満足する分子構造を逆設計したい。それを延々とやり続けている。必要であれば解析用のツールも自作する。
[1. 概要]
熱物性は古典的だがとても重要なパラメータである。昨今のMIブームによって、情報学を用いてマテリアルを扱うことがとても増えてきた。ところが分子のどのような情報を使うかというと、分子軌道計算(分子動力学計算)の計算値や、RDKitなどを使ったトポロジカルな計算値が使われることが多い。
これらは分子構造が分かれば算出できるので手軽である。熱物性のデータを集めるのは大変な作業なので、MIのインプットに熱物性を使う事は多くない。
pirika.com社が開発したPirikaPro4MIには分子のSmiles構造式から熱物性を算出する機能がついている(YMBPro)。熱物性の推算はこのTCPE 物性化学のページに記載の推算式(その改良式)が搭載されている。
pirika.com社のCEO、山本(私)の立場は、MIをやる時には、熱物性、MO計算値、トポロジカルデータ、使えるものはなんでも使ってモデルを作成しようというものだ。
これが他のMIツールと大きく異なる点だ。熱物性は各々独立しているようで実はファミリーだ。色々なところで繋がっている。
[2. TCPE、 熱物性推算]
TCPE: Thermo Chemical Properties Estimations
TCPEのページはpirika.comを始めた当初からあるページだ。私は当時国家プロジェクトで代替フロンの分子設計を行っていた。分子構造のみから分子の熱物性を推算して、要求される代替フロン物性値を満足する構造を逆設計するという方針を立てた。参考にしたのが、「The Properties of Gases & Liquids」という書籍だ。書籍に記載の推算法をまとめると図1のようになる。主な物性推算法としては原子団寄与法、対応状態原理法、分子軌道法がある。当時ニューラルネットワーク法も利用可能となってきていた。NN法のインプットに原子団を入れる、臨界点を入れる、MOの計算結果を入れることはあっても、本質的な違いは無い。図1から明らかなように沸点と密度はとても重要な物性値になる。次に臨界温度(Tc)、臨界圧力(Pc)、臨界体積(Vc)を使うことによって他の熱物性を推算することができる。
[3. 他の物性推算]
熱物性とは呼ばないが、分子固有の重要な物性値がある。水への溶解度、オクタノール/水分配比率、生物濃縮性、誘電率、酸解離定数、大気寿命、毒性などだ。必要に応じて拡張し続けている。
[4. 各論]
- 物性推算法のまとめ
- logPの推算に関するまとめ
オクタノール/水分配比率(logP)の推算。 logKowとも呼ばれる。
logPは医薬品の評価などでも無くてはならない物性値なので多くの利用があるのだろう。 - 沸点推算に関するまとめ
沸点は蒸気圧が大気圧に等しくなる温度のこと。 - 臨界温度推算に関するまとめ
- 臨界圧力推算に関するまとめ
- 臨界体積推算に関するまとめ
- 蒸気圧推算に関するまとめ
ある温度での蒸気圧を対応状態原理で推算するか、アントワン定数を推算してAntoine式から蒸気圧を計算する。 - 全温度領域計算
- 密度、体積推算に関するまとめ
分子体積にはVan der waalsのもの、溶媒接触可能表面の作る体積など色々なものがあるが、ここでは25℃における密度と分子量(MW)から、Volume=MW/Densityで求めたものを使う。 - 蒸発潜熱に関するまとめ
蒸発潜熱、化合物を気体に変化させるために必要なエネルギーのことである。気化熱ともいう。通常は沸点での蒸発潜熱を測定し、25℃に変換する。 - SP値推算に関するまとめ
SP値はある物質同士が混じるか混じらないかを予測する技術として開発された。1次元のHildebrandのものより、3次元のハンセンのものは格段に溶解性を正しく推算する。SP値の単位は(cal/mol)0.5 と (J/mol)0.5 =( MPa)0.5 の2つがあるが後者のほうが一般的になっている。簡便には(cal/mol)0.5 単位のものを2倍すれば良い。(厳密にはsqrt(4.18)倍) - 液体粘度の推算に関するまとめ
粘度とは液体が流れるときの抵抗のこと。 - 液体熱伝導度推算のまとめ
液体の熱伝導率は、熱勾配を与えたときに、単位厚み、単位断面積、単位時間あたり媒体を通過する熱の量で定義される。 - 表面張力推算のまとめ
- 表面張力の理解のために
表面張力は、表面をなるべく小さくしようとする力のことである。 - 屈折率推算法まとめ
- まとめその2
屈折率は真空中の光の速さ (c)と媒体中の光の速さ (v)の比、n = c/vで表される。 - 熱容量まとめ
熱容量とはある物体の温度を一度上昇させるのに必要な熱量のことである。 - 生成熱の推算法
生成熱とは安定な単体の生成熱を基準として、その物質を構成する単体から1molの化合物を合成するのに必要な反応熱のことである。 - 引火点のまとめ
引火点は火種があたときに火がつく温度だ。分子がどのくらい蒸気になっているかと、どのくらい安定かで引火点が決まる。 - 水への溶解度推算のまとめ
様々な単位系があり、混乱しているが、Pirikaでは100gの水に溶解するg単位の溶解度のlogを取ったものを採用している。 - ヘンリー定数推算のまとめ
- 融点
- 融解熱
- ダイポールモーメント推算のまとめ2011.6.28
[5. 最新の検討]
- 偏心因子の推算
- 蒸発潜熱の温度依存性
- 生物濃縮性(BCF)
- BOD(Biochemical Oxygen Demand)生物化学的酸素要求量
- 誘電率
- 酸解離定数pKa
- 拡散係数
- 表面張力の成分分解(δD, δP, δH)
[6. 総説]
- 沸騰の科学 (2018.6.20)
甲藤好郎先生の書かれた、沸騰の科学という書籍を頂いた。
非常に興味深い本であるし、沸騰に関連する研究を行っていたので物性科学的に解析した結果を付け加えた章を作ってみた。
2018.12.5 第11章を付け加えた
[7. pirikaの方法が実装されているソフト]
- HSPiPの機能概要
- HSPiPの購入方法
- Pirika Pro
プログラムによってどんな原子団が使えるかはこちらで確認のこと
[8. 図表]

[9. pirikaへのリンク]
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Mail: yamahiroXpirika.com (Xを@に置き換えてください)
メールの件名は[pirika]で始めてください。
有機化合物の水への溶解度 2021.5.28改訂(2013.9.24)
化学の現象に、一般的な解析ソフトを使うとどんな結果になるかを解説しました。
新しい解析ツールGROVEが動き出したので内容を一部改訂しました。
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