塩野義のコロナ用飲み薬と解熱鎮痛薬

今朝の新聞で承認申請とあった。喉の痛みやせきなどの呼吸器症状は改善するが、疲労感や体の痛み、熱っぽさやせきなどは改善しなかったという。

ハンセンの溶解度パラメータ(HSP)はこのようになることを以前のブログで書いた。
生物等価性などを使って分子設計などは別に考えられているだろう。

そこで、ここでは単純に解熱鎮痛剤の分子を集めてみた。
最近使い始めたSMILES分子構造式のビュアーでその構造を示そう。


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SMILESの構造式があれば、HSPiPソフトのY-MB機能を使いハンセンの溶解度パラメータ(HSP)は計算できる。(この計算は、次期のバージョン6用のパラメータを使っている。)

NamedD21dP21dH21
アセトアミノフェンAcetaminophen19.7613.2215.07
イブプロフェンIbuprofen17.474.047.05
アセチルサリチル酸acetylsalicylic acid18.86.599.99
ケトプロフェンketoprofen19.195.997.04
インドメタシンindometacin19.926.216.87
ジクロフェナクDiclofenac20.196.629.2
フルルビプロフェンflurbiprofen18.74.597.48
メフェナム酸Mefenamic acid19.935.778.46

このHSPを見ると、解熱鎮痛剤の一部はとてもよく似たHSPを持っていることがわかる。(薬学系の方は、似たlogKowで見当をつけるのかもしれないが、我々はHSPで見当をつける。)

慣れない人用にこれらの解熱鎮痛剤のHSPを3次元のハンセン空間にプロットしてみよう。

マウスでドラッグすると回転、shiftキーとドラッグで拡大・縮小、Optionキーとドラッグで平行移動する事ができる。

青い球は、一般溶媒を示している。青い球をクリックすると溶媒の名前が表示される。赤い球は解熱鎮痛の薬を示している。赤い球をクリックするとその薬の名称が現れる。
赤い球5つぐらいがとても似た領域にあることがわかる。そして、我々はそれらはとても似た溶解性を持つと考える。

ワクチンを打った後の解熱剤には、アスピリン、ロキソプロフェンやイブプロフェンなどの非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)ではなく、抗炎症作用の少ないアセトアミノフェン(カロナールやタイレノール)を服用した方が良いという考えもあるようだ。
3次元のどこに位置するか確認しよう。(ロキソプロフェンはテーブルにはないが、フルルビプロフェンと同じようなHSPになる。)

それらに加え、大きなグリーンの球がある。これが塩野義の薬全体のHSPのプロットになる。さらに塩野義の薬の左の部分のHSPはシアン色の球になっている。これは解熱鎮痛剤の領域にとても近い。
塩野義の薬の中央部分のHSPは黄色の球になっている。最後に右の部分はマゼンタ色になっている。

こうした薬部位の部分溶解性が、Molnupiravirではどうなっているか?見たいと思うだろうか?

見たいというコメントが5つぐらいついたら、暇を見つけて載せることにしよう。