2022.9.24改訂(2010.11.15)
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概要
ヘッドスペースーマイクロ固相抽出ーGC−MS法による解析とハンセン溶解度パラメータ法によるガスクロ・リテンション・インデックス・シミュレーションの比較。HSPiPを使えば分子構造だけから、このようなシミュレーションが可能となる。
内容
匂いエビネの揮発成分の解析をGC−MS法でおこなった文献が見つかった。
得られているものはリテンション・タイムではあるが、HSPiPに搭載されているガスクロのリテンション・インデックス推算機能の検証の為、解析を行ってみた。

(From Wiki)

HSPiPでのガスクロの分離性能は、ある化合物の固定相への溶解のしやすさと、蒸発のしやすさの差で分離が進むと考える。
そこで、化合物の固定相への溶解のしやすさをハンセンの溶解度パラメータを使って評価し、蒸発のしやすさを沸点を使って評価する。
データをコピペして、最新のHSPiPでやってみよう。
テーブル
Hcode | Compounds | RT | Peak area % |
452 | 2-Methyl-2-propenal | 887 | 0.23 |
509 | 3-Buten-2-one | 954 | 0.1 |
11440 | β-Myrcene | 1174 | 0.05 |
17885 | (Z)-β-Ocimene | 1247 | 0.55 |
17925 | (E)-β-Ocimene | 1266 | 62.33 |
unknown | 1294 | 0.23 | |
17051 | 6-Methyl-5-hepten-2-one | 1353 | 0.25 |
unknown | 1465 | 0.2 | |
17042 | Linalool | 1560 | 25.93 |
unknown | 1577 | 0.23 | |
18829 | (E)- β-Farnesene | 1679 | 0.78 |
unknown | 1731 | 0.13 | |
(Z,E)-α-Farnesene | 1739 | 0.28 | |
17401 | (E,E)-α-Farnesene | 1764 | 5.55 |
unknown | 1818 | 0.12 | |
8027 | Geraniol | 1861 | 0.15 |
unknown | 1955 | 0.21 | |
unknown | 2019 | 0.07 | |
17322 | (E)-Nerolidol | 2051 | 1.43 |
unknown | 2066 | 0.07 | |
unknown | 2133 | 0.17 |
まず、最初にする事は、論文中にある化合物をHSPiPのデータベースから探索する。
(Z,E)-α-Farnesene 以外はHCode(ハンセン・コード)が定まっており、既にDBの中に収録されている事が分かる。
もしDBに無い場合は、Smilesの構造式を得て表中に書き加える。

表の準備ができたら、HSPiPを立ち上げて、メニューバーからGCを選ぶ。
そしてカラムの種類を選んで、Smilesの式をペーストして、計算ボタンを押す。
そして計算結果を、テーブルに戻す。

リテンション時間とリテンションインデックスのプロットなのでオーダーは違うし、カラムの種類も違うが、構造式だけからこのような解析が可能になる。

ちなみに、HSPiPの3.1を使った沸点の推算では、構造式のみからこのくらいの精度で沸点を推算できる。GCRIの推算精度も次期バージョンではさらに改良されると思われる。
新しいバージョンを使ってやってみよう。
実際の匂いを解析するには、各成分ごとの相対揮発度(RER)も非常に重要になる。
匂いの成分ごとのodor noteとRERの両方を考えた香りの解析にはHSPiPは重要なツールとなりうる。
Drag=回転, Drag+Shift キー=拡大、縮小, Drag+コマンドキーかAltキー=移動。球をクリックすれば溶媒の名前が現れる。
香り成分の沸点によって色分けしてみた。沸点が低いものを赤い球、高いものを青い球、沸点が上がるに連れ青みをふやしていった。そして球の大きさは分子体積で表してある。
これが,ニオイエビネの香りの,コンピュータが認識できる表現となる。様々な香りのパターンを学習させることによって,コンピュータに鼻(E-nose)を与えることができる。
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