GCのリテンション・インデックス(GCRI)

2022.9.24改訂(2009.9.9)

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4. GC分析

4.1.GCのリテンション・インデックス(GCRI)

高速液体クロマトグラフィーとハンセン溶解度パラメータ(HSP)のページから分離(2022.9.24)。

GCの場合,分解能の高さから,最近の傾向としてはパックド・カラムよりは,キャピラリー・カラムが多用される。
これは多くの場合、ポリジメチルシロキサンの液膜が、細いガラス管の内側にコートされた構造を取る。

分離の主体が液体なのでGLCと表記される事もある。



この場合も、試料がポリジメチルシロキサンに溶解しやすいか,そこから蒸発しやすいかの違いによって混合物が分離する。

ガスクロマトグラム(GC)は、そのカラムの種類、カラムの長さ、オーブン温度、インジェクション温度など様々な条件で、そのリテンション・タイム(RT)が変わってくる。そこで炭素数の異なるノルマル・アルカンのRTとの相対位置で化合物を評価する、GCリテンション・インデックス(RI)の考え方が生まれた。

GCRI

X:試料のRt - メタンRt
A: CnH2n+2のRt - メタンRt
B: Cn+1H2n+4のRt - メタンRt

Kovatsのリテンション・インデックス

化合物の沸点と GCRIをプロットすると下図に示すように、ほぼきれいな曲線関係がある事がわかる。そして、同じ沸点でありながらGCRIが変わる原因を、化合物のキャピラリー・カラムのコート・ポリマーへの溶解性の違いであると考える。

GCRI

そこで、ほぼ同じ沸点を持っていながら、GCRIが異なる化合物を抜き出し、その化合物のHSPとGC測定用カラム(DB-1)のコートポリマーのHSPの距離を、式(1)を用いて計算した。

ただし、この場合、極性項(dP)と水素結合項(dH)だけの距離を使い、分散項(dD)を無視した。

これは、分散項(dD)は分子の大きさと相関があり、沸点が同じような化合物は分散項(dD)が似通っているため、通常のHSP距離を取ると、沸点との効果でダブルカウントになると考えられる為だ。

GCRI-6

すべての温度領域で、距離の短い(極性がポリジメチルシロキサンに近く、溶解しやすい)ものはGCRIが長くなる事が、上図により明確になった。

ICHの勧告Class1とClass2の溶媒を計算

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