理研600人リストラと独身寮の食事、ノアの箱舟

35年前会社の独身寮に居た。食事は悲惨なもので、寮長になって会社と掛け合って改善に努めた。

その時に先輩に言われた。寮や社食の飯のまずいのは、「早く嫁さんをもらって寮を出て行け」「どんなに料理な下手な奥さんを貰っても美味しく思えるように会社の温かい配慮だ」

今なら、口が裂けても言えないセリフだろう。でも逆に、独身寮自体がどんどん無くなってきた。

日本は35年間給料が上がらない、2流の国になってしまった。給料だけでは無く、独身寮や社宅も無くなっているんだから若い人は大変だろう。幸い自分は独身寮も社宅も利用できた最後の世代だろうか。

理研が600人の研究者をリストラするのが話題になっている。
まー、(民間と比べれば)潤沢な研究費を使って最先端の研究を行ってきたのだから、実績もあるし、いくらでも海外で活躍できるだろう。
日本の税金で研究してきたのだから、日本以外で研究してはならぬ、と言われているなら可哀想だが。

研究実績という持参金を持ってお嫁に行ってその先で美味しい料理(研究)を作って大事にされなさい言う温かい国の配慮だと思えば良い。

日本という国の方針は、日本の持つ大事な人材リソースを、大判振る舞いで、海外にあげてしまう、だ。
そうした流出した頭脳と戦わなくては、2流から3流に落ちる。でも戦いうる優秀な研究者も日本にいては給料も上がらないし、とっくの昔に海外へ出ることを考えているだろう。
まー、小松左京の「日本沈没」でも海外で通用する技術を持った人は受け入れ先があった。

日本の政府のやっていることは、「ノアの方舟」政策なのだ。
今までの日本人ノーベル賞受賞者だって研究主体は海外の人が多い。
今回の理研の600人が海外で活躍してノーベル賞を取れば、「日本人がノーベル賞を取るための政策として非常に有効だった」と言えるわけだから。

将来に渡って、永遠に独身寮の食事は与えられるべきとばかりに、文句言っている研究者はどうするんだろう?

私は、去年、pirikacomを法人化した。
その経験から言えば、研究者は皆、会社を作るべきだ。
時間の観念、収入につながる研究の観念、本質的にやりたい事の時間分配を学ぶことができる。
独身寮の食事提供みたいな放漫経営できるか考えてみれば良い。