私の化学

2023.4.21

1985年、シクロデキストリンを用いた生体医学材料の開発

東大工学部の修士論文。シクロデキストリンのポリマー膜を作れば、CyDの穴の大きさより小さなものだけを透過できる?
CyDの結晶表面をイソシアネートで架橋して不溶性の部分を集めて成膜する。
って、今考えても少し無理がある。

こんな記事を読むと、とても懐かしくなってブログを書いたりする。
ジメチル-α-シクロデキストリンが、精子の受精能力を上げる。精子に悪さする成分をCyDに吸着するらしい。

1999年、情報化学討論会

1995年から1999年まで、つくばの物質研に出向して、フロン代替の設計研究を行った。
1999年の6月には帰社命令が出たのですが、先に発表を申し込んでいたので、そのまま発表した。

ポイントは既存の物性推算方法をまとめ、特に対応状態原理法の入力値を使い、再構築学習ニューラルネットワーク法を使い、精度の高い物性推算式を構築したということだ。

次に、コンピュータ上で片っ端から分子を組み立て、物性を推算し、推算値が目標範囲に入った時にそれを候補として散り出す、逆設計システムを作成した。

物性を推算-逆設計をシステマティックに行った、私の初めての発表になる。

1999年、JCPE Journalに投稿

「ニューラルネットワークによるフロン代替物質の物性推算」と言うタイトルでJCPE Journalに投稿した。タイトルには入っていませんが、逆設計のことも書かれている。初めての論文投稿になるかも。

PDFダウンロード

2000年、計算機化学討論会

筑波にいた時に、酸化物ガラスのデータベースを頂き、再構築学習ニューラルネットワーク法を使い、様々なガラスの異常現象を解析した。再構築学習法は、情報の流れが可視化されるので、異常現象とニューロンの結合状態の対応が取れる。

NN法で物性を推算-GAで逆設計を行った初めての発表になる。
 

2000年、触媒学会、招待講演

計算機化学討論会での発表を聞いた方から、「内容は同じで良いから、触媒学会で話をしてくれないか?」と頼まれ講演を行なった。当時はJAVA言語を使ってプログラムを作成していた。
そして、講演の際に実際にデモストレーションした。このデモはJavaScriptの復刻版を作成したので、実際に試してみてほしい。

部屋から溢れるほどの盛況だった。

2001年、CICSJ Bulletin Vol.19, No.2, April

CICSJ:日本化学会・ケモインフォマティクス部会の部会誌に
グリーンケミストリーにおける物性推算
という題目で投稿した。最近まではPDFでダウンロードできたが、現在は見つからないようだ。
20年以上経って、続きを書こうと思うので、以前のバージョンを置いておこうと思う。

2006年、博士論文

「ケモインフォマティックスを用いた熱物性評価に関する研究」で日大の化学工学で博士号をいただいた。

フロン代替の開発がメインの話だが、ニューラルネットワーク法に加え、多項式展開法という新しいアーキテクチャーの、フィードフォワード法のNN法を開発して解析に使った。

博士号を取り終わると、企業研究者の悪いところだが、外への発表が極端に減ってしまった。
しかも、2008年からはハンセンの溶解度パラメータ(HSP)の方にほとんどの時間を取られてしまっている。

分離技術会、講習会2007年 Antoine定数の高度利用

分子構造からAntoine定数を推算するには、どうしたら良いだろうか?
2007年行った機械学習のお話。
蒸気圧の生データを2000件近く集め、新しいAntoine定数決定法のプログラムを作成し、そうして得られたAntoine定数の推算式を構築し、それをさらに他の物性値の推算に使ったと言うお話。

うん。若かったからできたんだろうな。

イオン液体の物性:

イオン液体の物性推算と逆設計について。日大の論文博士は、論文6報だったので色々書きました。色々なところで発表もしたので、時間を見つけてWebページに載せようと思う。

2009年、ガラスの組成設計

ニューラルネットワーク法を用いてガラスの物性推算を行い、遺伝的アルゴリズムを用いて、欲しい物性をもつガラス素性を探索する。JavaScriptを使ったシステム設計を行ったと言う話だ。
AGCのサイトから論文がダウンロードできます。

光学ガラスの組成設計


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