2022.9.3改訂(2010.3.30)
pirika.comで化学 > 化学全般
> 次世代HSP2, YMB Pro for MI >
> 解析例トップ
医薬品・化粧品トップページ > アレルギー性物質の溶解性
分析関係トップページ
概要
様々な食品、化粧品でアレルゲンを除去、低減したものが開発されている。
化粧品のアレルゲンの一覧を入手した。
似たものは似たものを溶かすというハンセンの溶解度パラメータの考え方からすれば、あるアレルゲンは、そのHSPベクトルが似たレセプターに溶解する。
各アレルゲンのHSPを決めてみた。そしてそのHSPをSOMを使って自己組織化し、似たHSPをもつアレルゲンはどんな特徴を持つのか解析した。
内容
アレルゲンの一覧をネットから入手できた。 allergens_brochure.pdf
その141化合物に関してHSPを計算した。
そしてHSPiP ver.3に搭載の1200化合物とともにSOM (Self Organization Map)を計算してみた。
SOMは多次元のベクトルを2次元にマッピングする技術で似たベクトルは似た位置にマッピングされる。
図中Aと表示されているのが今回のアレルゲンのHSPがマッピングされた位置で、”.”はそれ以外のデータベース値を示す。
比較的アレルゲンと判明しているものはある所に固まって存在する事がわかる。一部分を抜き出してみる。


この黄色い円の所にマッピングされた化合物をすべて抜き出してみるとハンセンのコード(HCode)で次のものがこの領域に来た。
この領域に来たものは、基本的はパラベン化合物であった。
これはpーヒドロキシ安息香酸のエステルである。そしてパラベン類は最初の資料にすべてアレルゲンとして記載されていた。
それ以外の化合物もこの領域に来る。
これらの化合物はアレルゲンであるとは最初の資料には記載されていないが、見るからに怪しそうである。
使う前にはアレルゲンであるかどうか是非ともチェックした方が良いと思われる。

No:299
Hcode:322
1,2-Ethane Dithiol
No:799
Hcode: 855
trioxane
No:467
Hcode:495
3-Methyl Isoxazole
NO:713
Hcode:764
n-Butyl Salicylate
No:683
HCode:731
Ethylene Glycol Mono Benzyl Ether
さらにHSPiPのデータベースで
dD=17.3 – 18.7
dP= 6.2 – 9.4
dH= 8.8 – 11.7
の香料化合物を探索すると33化合物が探索された。
一例を示すと以下のような化合物である。

これらについてもアレルゲンのテストをしてから使う事をお勧めする。
アレルゲンの発現がHSPという溶解性だけでおこる訳ではないと思う。
しかし、1次スクリーニングには有効ではないかと思う。
2010.11.15
Agilent Technologies の LC Application News No. 39
に化粧品中のパラベンの分析というのがあった.
これをハンセン溶解度パラメータ(HSP)を用いて解析してみる。


オクタデカンに溶けやすい=HSP距離が短いものほど、リテンション時間が長くなる事がわかる。
この結果を見る限り、パラベン類のY-MB計算結果は信頼がおけると言えそうだ。
緑色の球、オクタデカンに近いものほどODSの固定層によく溶解し、RTが長くなる。
Drag=回転, Drag+Shift キー=拡大、縮小, Drag+コマンドキーかAltキー=移動。溶媒をクリックすれば溶媒の名前が現れる。
pirika.comで化学 > 化学全般
> 次世代HSP2, YMB Pro for MI >
> 解析例トップ
医薬品・化粧品トップページ > アレルギー性物質の溶解性
分析関係トップページ
Copyright pirika.com since 1999-
Mail: yamahiroXpirika.com (Xを@に置き換えてください)
メールの件名は[pirika]で始めてください