退職3年縛り終了。ガラスやフッ素も。

職業選択の自由の憲法違反という意見もあるが、進む道が別れただけで、喧嘩別れした訳ではないし、退職の時に”同業他社には3年間就職しません”ってサインしたし。
でも今日からもう自由だ。

かと言って、自分の会社を持っている訳だから、同業他社に就職するつもりもない。

通常の概念で言うと、会社にいた時のリソースを失って3年もすると、時代遅れになって研究者としての価値は下がるのを前提にしているのだろう。
自分が会社時代に一番力を入れていた、”物性推算と逆設計”に関して、もと居た会社がどれだけ先に行ったかは知らないし興味もない。

この3年間は解析ツールの開発などに注力してきたので、昔のテーマに適用してみよう。
それでも現職に少しハンデをあげよう。昔のテーマと言っても、自分がつくばに出向(1995-1999)して居た頃と博士号を取るために日大で行って居た(2005-2007)に行った”物性推算と逆設計”まで戻ろう。これらはデータも会社のものではないし。

詳しい説明や復刻したプログラムはこちらを参照してほしい。

1999.3.24にpirikaのWebページにガラスの物性推算のJavaアプレットを載せている。(Javaアプレットはもう動かない)
これはガラスの酸化物のモル%を入れるとヤングモジュラス(1541)、ガラス転移温度(4247)、密度(5500)、屈折率(5660)、アッベ数(1978)、熱膨張係数(996)を予測する。カッコの中は、ニューラルネットワークで学習させたデータ数だ。

データは、つくばに出向している際に、ニューラルネットワーク法を一緒にやっていた長嶋雲兵先生に頂いた。(SciGlass?)
再構築学習法を使った学習法で、情報の流れが明確にわかる。それを学会発表している。この発表の時に使ったJavaのアプレットはアプリケーションとして今(2023.4.20)でも動いている。これをjavaScriptで書き直し、pirikaのwebページに載せた。

https://pirika.com/images/SciGlass.jpg

JAVAのプログラムはもう動かないが、簡単にJavaScriptで書き直すことができる。そこで、中身をそのままに復刻版のプログラムを作成した。

そのようなプログラムができると、欲しいガラスの物性を入れてポチするとガラスの処方を答えてくれる、逆設計のプログラムも作ることができる。

Reverse

この、逆設計のプログラムは遺伝的アルゴリズムを活用して作成した。
プログラムもJAVAをそのままJavaScriptに書き直してみた。

物性推算はともかく、逆設計のプログラムは、作成に年季がいる。
単純に成分を自由に設計させようとすると、全ての酸化物を使って合せ込もうとしたりする。ガラスには、アルカリガラス、ホウ珪酸ガラスなどのシリーズがあり、酸化物もネットワークフォーマー、ターミネータなど役割がある。コンピュータにランダムに設計させてもガラスにすらならない。
当然ガラスの推算式を構築する時にも、学習させているのは、ガラスとして評価しうるデータで、ガラスにならなかった組成はデータには入っていない。

そこが面白い所だ。

化粧品の設計、塗料の設計、インクの設計、処方設計の面白みは、ここのところにある。

ガラスの元素をもっと広げる。物性の範囲を広げる。レア・メタルを置き換えたい。ガラスだけでは無く金属や触媒も。

いろいろなものにチャレンジするのは楽しいものだ。

その頃から20年もたっているのだから、こんなものを更に進めるのは簡単なことだ。
海外では当たり前。
どうやったら良いかわからないレベルだったら、日本人の給料が上がらないのも納得だろう。

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