ASOG法による気液平衡計算プログラム使い方

2011.4.14

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ASOGにiを入れよう、AiSOGによる気液平衡推算に集約して行っている。

ASOGと言うのは、Analytical Solution of Groups の略で、簡単にいえば分子をそれを構成する原子団に分割して、原子団ごとの相互作用のトータルで活量係数を見積もり、2分子の気液平衡を推算する方法だ。

同様のやり方で気液平衡を推算するUNIFAC法(Wikiの記事)の方が有名であるが、ASOGは日大の栃木先生(ちなみに、自分は栃木先生の所で博士号を頂いた)が開発を進めておられるので、こちらをHTML5化してみた。(元のプログラムはJAVAであった)AiSOGではAIの自己対戦法で使える原子団を水増しした。

プログラムは単純に、原子団の数と、Antoine定数を入れることによって計算を行う。

最初はASOGボタンが薄暗く有効でない。例では分子1にはヘキサンのデータ、分子2にはアセトンのデータが入っている。そこで、セットボタンを両方押すと、ASOGボタンが有効になる。


ASOGボタンを押すと計算を行い、Tb線図と計算のテキストデータが表示される。
このテキストデータはコピーして、表計算ソフトに貼りつければ、自分でグラフを書いたりするときに便利だ。

値は1列目が沸点、2列目が1成分目の気相中の比、3,4列目が活量係数だ。

分子1の比率0-1を50等分にしてあるので、51ポイントのデータになる。
アセトンとヘキサンは共沸し、混合溶媒の沸点が低下することがはっきり判る。


ラジオボタンで、X-Y線図を選択すると下のようなグラフになる。
もし液相成分と気相成分が等しければ、Y=Xの対角線上にくる。
しかし、左端(X1=0、X2=1)近辺(アセトンがリッチ)なところでは、蒸気相にはヘキサンが一杯いる、逆に右端ではアセトンが一杯いる事がわかる。
そして、この曲線がY=Xを横切る点が共沸点と呼ばれる。


そして、Gammaを選ぶと、活量係数(Wiki)が表示される。

こうしたデータは蒸留計算をする上でなくてはならないデータだ。これが分子の構造因子とアントワン定数だけから計算できるので、ASOG法は非常に便利な推算法だ。

構造のみからAntoine定数を推算するにはこちらを参照。


Antoine定数はデータベースによって値が結構異なる。
実測の蒸気圧からAntoine定数を求めるときの問題点をこちらにまとめたので参考にしていただきたい。


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