脱炭素、CXをDXしてみよう

FX: Fox Transformation

脱炭素と言われてしまうと、化学ができる事はほぼ無くなる。
でも人間の体の主成分は炭素と酸素なので脱炭素は不可能だ。サイバー空間のin silicoで生きていかれる人はともかく。
せめて、化学のできることを考えてみよう。

植物は炭酸ガス(CO2)を吸収して、自分の体を作る。それを炭酸同化作用という。
私は元はポリマーの合成屋だったので、「植物はCO2を原料にポリマーを作っている」と考える。

それと同じ事が化学でできるなら、CO2を固定化した事になる。
昔からよく知られているのが、CO2とエポキシ化合物の反応だ。カーボネートと言う化合物ができる。

カーボネートと言う化合物は馴染みがないかもしれない。リチウム・イオン・バッテリーの中には大抵入っている。(引火性なので将来は使われないかもしれないが。)DVDなどの円盤のプラスティックはポリカと呼ばれる。カーボネートがポリマーになったものだ。

そこで、植物と同じように、CO2を固定化して有用なものに化けさせる、CXを考える。CXはChemical Transformationだ。
いろいろ、インターネットで論文を調べると、次のようなものが見つかる。

Synthesis of Propylene Carbonate from Epoxide and CO2 Catalyzed by Carbon Nanotubes Supported Fe1.5PMo12O40

Tahani Al-Garni, Nada Al-Jallal, and Ahmed Aouissi
Hindawi Journal of Chemistry Volume 2017

変数は、温度、CO2の圧力、反応時間、触媒量で、エポキシの転嫁率とカーボネートの選択率が得られる。
私が使ったデータは次のようになる。自分でチャレンジしてみよう。

各グラフから解るように依存性は曲線になるので、推算式を作るのは難しい。
推算式の作り方はMAGICIAN養成講座の方で扱うことにして、ここでは、推算式が得られたら何をするのかを見ておこう。

スライダーを動かして実験条件を設定して計算ボタンを押す。作成した推算式での計算結果を返してくれる。

Temperature (℃)

CO2 Pressure (MPa)

Time (hr)

Catalyst (g)


X

これができてしまえば、人間が試してもいいけど、さらに転嫁率が高く、選択率が高い実験条件をAIが探すようにするのは簡単なことだ。

このように、CXであったとしても、DX すれば見えなかったものが見えてくる。
もしかしたら、きつねにばかされているように感じるかもしれないけど。。。よーーくきつねの鼻と目を見てみよう。。。

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