分子集合体の分子模型作成

2020.12.27

PirikaでSTEAM>デジタル分子模型で見る化学結合> 2. 分子集合体の模型作成。

試しにこれらのページで電子書籍を作ってみました。
epub3のビュアーを持っているなら試してみるのも良いでしょう。

2. 分子集合体の模型作成。

これは、デジタル分子模型ならではの機能でしょう。 でも、ちょっと計算が重いので注意 。
アセトン分子を40個、発生させています。
(これは、データを読み込んでいるのでは無く、ユーザーがブラウジングしているマシンで発生させています。非力なマシンだと表示されるのが遅いかもしれません。)

これなら、分子模型のパーツを取り合うこともないでしょう。

キャンバス(表示エリア)内でマウスボタンを押しながら動かす(ドラッグする)と全体が回転します。(iPadなどではキャンバスをタッチしたまま動かします。)
Alt key(Option key)を押しながらドラッグすると画面上の位置を変える事ができます。(iPadなどでは、指を3本タッチしたまま動かします。)
Shift keyを押しながらドラッグすると、拡大・縮小させる事ができます。(iPadなどでは指二本でキャンバスをタッチし横に広げたり狭めたりします。)

この表示には、分子体積(cm3 /mol)の値が必要になります。1mol, つまり、6.02*1023 個分子が集まったら、MVol cm3 になるはずなので、40個の時の空間体積が決まります。
もし、液体の密度がわかっているなら、分子体積=分子量/密度で計算する事ができます。

分子の3次元構造とMVolの値は、htmlファイルに記載しておきます。

与えられた空間体積に、分子の重心の位置、分子の回転量をランダムに与えて、分子同士が重ならないように40個ちりばめます。

化合物の密度は、温度が高くなると小さくなります。
見かけ上、分子体積が大きくなります。
温度と圧力が臨界点に達すると、その時の分子体積積(Critical Volume)は、25℃の時(73cm3 )の3倍(209cm3 )になります。

しかし、分子中の結合が長くなって、分子体積が大きくなったのではありません。
激しく動き回って衝突して自分の領土を広げることによって見かけ上の体積が大きくなっているのです。

この分子集合体の機能と、第1章の計測機能を併用すると、次のように空間中の分子間の距離を測定する事ができます。 これは酢酸ビニルの分子集合体の分子模型になります。

真ん中にある分子の2重結合の炭素をクリックすると赤いマークが表示されます。別の分子の2重結合の炭素をクリックするとその距離が示されます。同じ原子をクリックすると選択が解除されますので、一番近い酢酸ビニルの距離を探してみましょう。

この酢酸ビニルは、ラジカル重合を起こすモノマーです。
私たちは、そうしたラジカル重合を記述するときに、「ラジカルがモノマーをアタックする」という言い方をしますが、伸びかけのポリマーラジカル末端は4Åも動けるはずはなく、低分子のモノマーが動かないラジカルにアタックして重合が進むであろう事が分かります。

ブタジエンは重合すると、ポリマー中に2重結合を残したポリブタジエンになります。

ブタジエン の重合

ポリマーのラジカル末端が、ポリマー中の2重結合と反応すると、ポリマーは3次元架橋を起こしゲル化してしまいます。
しかし、ポリマーラジカル末端もポリマー中の2重結合も動けないので出会う事はほとんどありません。小さなブタジエン・モノマーだけが拡散して重合が進行します。

この分子の大きさと3次元空間の関係を見るには、デジタル分子模型は最適だと言えるでしょう。

1.分子構造の調整。
2.分子集合体の分子模型作成。 ちょっと計算が重いので注意
3.各原子上の電荷を計算。 ちょっと計算が重いので注意
4.ある温度における分子(原子)の運動。
5.π結合とσ結合の違い。
6.作られる直前の化学結合の様子。
7.HOMO-LUMO遷移エネルギーと化学結合。
8.振動解析結果のアニメーション。
9.デジタル教科書の作成。
 試しにこれらのページで電子書籍を作ってみました。
 epub3のビュアーを持っているなら試してみるのも良いでしょう。
10.豊かな化学のために。
12.全フッ素化キュバンのLUMOが電子を閉じ込めた!

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