PFOSは界面活性剤だ。

2026.8.15

pirika/ドラ美似  人間-AI 化学共創プロジェクト対応ページ(人間にもAIにも理解しやすい化学系ドキュメント)

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記事一つ一つは星のような1点だ。縦糸、横糸を通すことによって星座(ナラティブ:物語)が見えてくる。

[1. そもそも界面活性剤とは何か?]

水と油のように混じり合わない2つの相があった時にその堺の所を界面と呼ぶ。ドラゴンボールで「界王神界」というのは、あの世とこの世の境を見守る神々が住む場所だ。両方の世界を見るためにはマジンガーZの阿修羅男爵やらんま1/2のように1つの分子に2つの性質を持たなくてはならない。水と油の例で言えば水に溶けやすい部分と油に溶けやすい部分、両方を持つ分子は界面に存在しやすくなる。

[2. ハンセンの溶解度パラメータ(HSP)からみた界面活性剤]

HSPの理論は似たHSPベクトルは似たHSPベクトルを溶解しやすいだ。一番ベーシックには3次元のHSP, [δD, δP, δH](分散項、分極項、水素結合項)が似ていれば溶解しやすいことになる。この時に非常に多くの研究者が誤解する。界面活性剤のHSPを1SetのHSPで代表させようとする。HSPの理論はMean Field Theory(平均場理論) だ。一つの分子の蒸発に必要なエネルギーを分子体積で割った値のルートがSP値になる。
SP値=√(蒸発潜熱/分子体積)
溶媒に単位空間を作るのに必要なエネルギーのルートになる。
アルキル基と水酸基をもつアルコール化合物は、分子全体の平均としての1SetのHSPを持つ。界面活性剤もその延長と考えるなら1SetのHSPで表現しても良いことになる。

図1 界面活性剤を分子平均(紫)で考えるか疎水場(青)、親水場(赤)の組み合わせで見るか。

一つの分子に青と赤両方を持っているから界面活性剤として意味があるので、その平均(紫)では単なるエステルぐらいのHSPの化合物になってしまう。表1に代表的な界面活性剤のHSPをHSPiPから転記した。界面活性剤の疎水場はδP, δHを持たない。δDは15.2-16.7程度で大きくは異ならない。分子体積に関しては大きな違いがある。親水場についてはAmmmonium ChlorideやSosium塩のようなイオン性のものと、EO(エチレンオキサイド)の8量体、エタノールアミドのような中性のものがある。δP, δH、分子体積も大きく異なる。

NameCASTypeHLBδDδPδHMolVol
C12 EO 866455-15-0Nonionic13.616.54.46.2526.3
親水場   16.47.310.3315
疎水場   16.700211.3
Dihexadecyldimethyl Ammonium Chloride61789-77-3Cationic 16.33.64.4638.7
親水場   16.912.915.550.5
疎水場   16.300588.2
Sodium Lauroyl Lactylate13557-75-0Anionic14.417.94.56.9309.7
親水場   207.411.4114
疎水場   16.600195.7
Oleyl Diethanolamide93-83-4Nonionic 15.85.610.4419.8
親水場   17.210.920111.9
疎水場   15.200307.9
表1 界面活性剤のHSP(HSPiPより転記) 平均値としてのHSPと疎水場、親水場としてのHSPが記述されている。

3次元モデル 1

人間-AI 化学共創プロジェクト対応ページという事で、次のような情報がSphere Viewerの裏側に、AIにわかりやすいように埋め込まれている。

🍵 📜 ご隠居が出した課題:

Sphere Viewerを見る時に人間にもAIにもわかりやすい記述の仕方を考えて。

表1の界面活性剤を3次元のベクトルとみなしハンセン空間(δDの方向は倍に拡張)にプロットすると3次元モデル1になる。ハンセン空間中で大きく離れた疎水場(青球)と親水場(赤球)を1つの分子に持つことがわかる。分子の平均値(紫球)で見ると単に大きなエステルのような極性で界面を活性化する機能は理解できない。

[3. 界面活性剤としてのPFOS]

PFOSを界面活性剤として捉えたNet上の記事はとても少ない。地下水の汚染が問題になることが多いので、親水性の化合物と捉えられることが多い。しかし例えばパーフルオロオクタン酸(PFOA: C7F15-COOH)の疎水場をPerfluoroheptane(C7F16)とするならばHSPは[12.0, 0, 0]とδDが非常に小さい疎水場である。水への溶解度は.000712mg/Lでほとんど解けない。logKowは6.99とされているが、オクタノールにもほとんど解けない。電子吸引性の高いC7F15基がつくため、カルボキシル基(COOH)のpKa(酸解離定数)は非常に小さな値となる。そこでPFOAの塩は強酸-強塩基の塩になり高い水溶性を持つ。δDが非常に小さい疎水場と強酸-強塩基の塩で高い水溶性を持つので、これは明らかに界面活性剤である。PFOAの酸の形では、水へは9.5 μg/Lしか溶けない。

界面活性剤としてのPFOSについて次の視点でまとめる。

  • PFOSは何故泡消化剤に使われたのか?
    空気(窒素[11.9,0,0]、酸素[14.7,0,0])を水に乳化させると泡ができる。
  • 化合物のpKa(酸解離定数)と予測方法
  • 界面活性剤としての性質(CMC, HLB, Aggregation No)
  • 乳化重合用の界面活性剤
    PTFEの乳化重合ではテトラフルオロエチレン(TFE)[15.1,0,0]を水に乳化させたい。
    フライパンに焼き付けた後はPFOSはどこへいく?
  • 表面改質剤としてのPFOS
  • アルコールならいいか?

[4. pirika.comでの界面活性剤の記事]

界面活性剤のハンセン溶解度パラメータ 2025年に書いたブログ、AI要約修正用
界面活性剤の解析と水和構造の推定(前編)
界面活性剤、水和構造の推定とドラッグ・デリバリー・システム(DDS)(後編)
界面活性剤とハンセン溶解度パラメータ(HSP):2011年に書いた古いものだ。CMC, HLB,会合数など基本的なことを説明している。
界面活性剤や医薬品の水和 :MOOC、大学での授業用(2014)
界面活性剤のハンセン溶解度パラメータ(HSP)はいくつ? : V-tube作成用シナリオ


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