2026.05.20
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Nylon 6

Nylon 6はカプロラクタムを開環重合したアミド系ポリマーだ。染色しやすいポリマーで、溶媒に溶かした染料で処理すると、溶媒がNylon 6を膨潤させる時に染料が内部に浸透される。
この論文では、フェノールやフルオロ・アルコールを良溶媒としている。
Hexafluoro isopropanol(HFIP)はとても強い酸性を示す。PETの溶媒としても知られている。実際にはポリマー鎖を切断しながら溶解している。(低分子量化してしまう)ハロゲン化フェノールもポリマー中の強い水素結合を切ることもあるが、ポリマー鎖を切断する可能性が高く、溶解性試験には適さない溶媒だ。
このような酸性溶媒だけが良溶媒の場合、ポリマーが塩基性で酸性溶媒に溶けているのか、ポリマーが酸性で(似たような)酸性溶媒に溶けているのかは、挟み撃ち法では判定できない。あなたは、酸? 塩基?挟み撃ち法の限界?で解説してある。
次世代のHSP2の33式を使って評価

論文にある良溶媒は青い球で示してある。求まったハンセンの溶解球はマゼンタの大きな球になる。クラッシクな3次元のHSPでは良溶媒が比較的小さなdP, dHなのでSphereの中心も低めになる。
アルコールは両性溶媒であるので、dHac, dHbs両方を持つ。[dD, dHac, dHbs]、[dP, dHac, dHbs]で見た場合、良溶媒は大きなdHacを持つ。そこでSphereの中心、ポリマーのHSPは大きなdHacになってしまう。
軸を変えながら、この挟み撃ち法による結果を正しく理解しよう。緑色の小さな球はシランカップリング剤のHSPになる。ポリマーからは少し離れたところにある。
HSP距離とScore

クラッシクな3次元HSPでは、Score=1なのに溶解球の外にいる、Wrong outの溶媒(p-chlorophenol)が一つある。つまり他の溶媒なりカップリング剤とのHSP距離が4.2-4.6であったら、それがScore=1なのか0なのかは判断がつかないことになる。逆に言うと、Wrong outした溶媒よりもHSP距離が短い多数の溶媒が、何故溶かさないのかの説明が必要となる(青い四角の領域)。
dHをdHacidとdHbaseに分割した場合には誤認識はとても減る。つまりNylonの溶解を考えるには酸性、塩基性を考慮する必要がある。
表面をシラン処理した粒子を、Capillary Penetration Methodで接触角を測定
もとの論文では微粒子の接触角からScore0,1を決めてHSPを決定している。
ZISMANプロット

私はCapillary Penetration Method自体がよく分かっていないのだが、溶媒の表面張力に対してCOSθをプロットしても相関が得られない。

接触角が2-3°の違いでScoreが変わる。このScoreからHSPを決めても何の意味もなさない。
論文では原子団寄与法でシランカップリング剤のHSPを決めたとあるが、そのパラメータは記載されていない。HSPiPやPirikaProを持っているなら自分でやってみよう。
論文のNylon6 (ポリアミドは酸性と判定)との距離

YMBで計算したカップリング剤のHSPと論文のNylon6とのHSP距離を計算した。
HSP距離はクラッシックの3次元HSPとdHを分割したScheme(3)で評価した。YMBでの分割方法によってどのシランカップリング剤が相性がよくなるか?はまちまちになってしまう。
*a:「Functional composite material design using Hansen solubility parameters 」Results in Materials 4 (2019) 100046 Shinichi Tsutsumi et. al.
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