隠遁Chemistと愛(AI)の交換日記
私はよく本屋へ行く。コンピュータと化学、最近は哲学のあたりを徘徊する。
特にコンピュータの棚は最近気になる。
AI関係の本ばかりで、最近苦しんでいるC#の書籍などは新しいものが出ない。
そうだろうな。わからないところを書籍を調べる時代は終わった。チャピエモンに聞けば良い。
人間は指示を出せば後はAIがやってくれる。本なんて購入する必要がない。
大学入試用に情報を勉強している学生には悪いが、コンピュータ言語なんて勉強する必要はない。
こういうゲーム作って。動画作って。音楽つくって。って発想を持つ人間が偉い=稼げる。
AIはどんなコンテンツがバズっているか知っている。
そのうち発想自体がAIに奪い取られ、人間は収益を上げられなくなる。
人間は考えるのに言語で考える。言語が未熟だと発想も未熟だ。
未熟な発想の持ち主は、言語化する時に、”宮崎駿風の”とつけるしかないので、似たようなモノマネ動画が氾濫する。
ではコンピュータ言語はどうだろうか?
わたしは、Java, Javascript, C#あたりを使う事が多い。
対象は化学だ。
化学系のこんな事ができるソフトを作りたいが先にある。
最近注力したのが、2分子間の活量係数を予測して深共晶溶媒の評価したい、だ。
任意の分子をコンピュータで扱うにはどうしたらいいか?
原子を構成する原子や原子団をコンピュータで解析するには?
分子間力を評価するには?
深共晶をコンピュータに教えるには?
どちらかというと化学の言語化の方が難しい。コンピュータ言語はシンプルだし、AIが助けてくれる。
化学言語とコンピュータ言語の橋渡し。それがこのブログが目指している交換日記だ。
AIは世界で一番よく本を読んで、その内容を覚えている人(人と呼んではいけないかもしれないが)。写真や動画も一番よく見ている。
化学の言葉だって世界で一番だ。
じゃー、2分子間の活量係数を予測して深共晶溶媒の評価するプログラムを作ってよって頼めば作ってくれるか?
現状ではまだ無理だ。
何故だろう?
化学というのはバケ学で、言語化といっても解釈を伴うからだ。
数式で表現できる物理とは違う。
沸点を推算と簡単に言う。富士山の頂上でカップラーメンを食べる時には、沸点と言っても大気圧が変化した時の蒸気圧曲線の推算になる。お酒を蒸留する時の沸点は水・アルコールの混合溶液の沸点で活量が必要なる。
融点はもっと複雑で、分子の形状やらパッキングのしやすさが影響を与える。パッキングのしやすさをコンピュータに教え込むのは大変な騒ぎだ。
そして、活量係数と深共晶溶媒を結びつけるような酔狂な論文は世の中にない。
テキストからしか学べないAIは可哀想だ。
室温で固体同士を混ぜると液体になる
それをどう解釈して言語化するかは人それぞれだ。
山本は東大で分子集合体の化学の4コマ分を教えた事がある。

カルボン酸はそれ自体酸性と塩基性を持つので、自分で酸塩基の相互作用(水素結合)で一種の塩をつくる。純粋な酢酸は14.5℃で固体になるので氷酢酸と呼ばれる。すこしでも水が混入すると凍らない。水が水素結合を壊す。水は液体なので深共晶とは呼ばないが、起きている事は同じであろうと山本は解釈している。

つまり酢酸のElectron Donor(ルイスの塩基)より強い塩基が来たら酸塩基交換反応が起きる。酢酸のElectron Acceptor(ルイスの酸)より強い酸が来たら酸塩基交換反応が起きる。できた塩の対称性が低かったりパッキングが悪ければ固体化しない。

ThymolもMentholも室温では固体だ。(最近の日本での室温の定義は変わらないのだろうか?)
構造はよく似ている。Thymolがベンゼン環なのとMentholが6員環の違いがある。Mentholの方が平面からずれる。
大事なのはThymolの水酸基がフェノール性の水酸基だと言う点だ。普通の2級アルコールとは酸塩基バランスが異なる。
引き合う強い愛
HSPは包み込むような愛だと説明した。そこに引き寄せる愛を導入したものがHSP-AiSOGだ。活量係数という言葉がわからない人間はもう考えなくて良い。結果の見方がわかればよい。ThymolとMentholがどのくらい引き寄せる愛を持つかはPirika Proがすぐに計算してくれる。

入力はSmilesの構造式ペアを入れるだけだ。
出力はExcelに戻しグラフを描く。

この二つの固体は強く引き合う相互作用をしている。HSPで使っている理想溶液混合では赤線になる。ところが混合物の沸点は両方の沸点のモル分率計算値よりも高くなる。
ピークとなるのはThymol:Menthol=2:1だ。(何故2:1なのかはとても面白い。1:2の時の方が融点は低くなる)
沸点が高くなるのは2つの分子が強く引き合って蒸発しにくくなっているからだ。それは活量係数が1以下となるので理解できる。
何故活量係数が1以下になるのか?

YMBで計算されるThymolのフェノール性のOHはEA(ルイスの酸性)がMentholのEAより大きく、ED(ルイスの塩基性)がMentholのEDより小さいので酸塩基交換反応が起きる。似たような構造であるが、平面性が異なり強くパッキングできない。
強く相互作用する水酸基のそばにイソプロピル基がつくので結晶化を妨げる。
これが山本の解釈だ。
専門家は違うことを言うだろう。私は素人だ。
2分子間の活量係数を予測して深共晶溶媒の評価するプログラムを作ろうとしたわけではない。
活量係数を予測したかった。その式を深共晶溶媒に適用してみたらおもしろい洞察が得られた。これまでの溶解現象でHSPで理解できないものに対して新しい解釈につながるかもしれないと楽しんでいる。
自分の持っている言語で考える。
AIに網羅的に調べてもらって、提案されたものの中から一番良いものを選んで深く考える。それが、AI時代の人間がとるべき合理化だという。
AIは深共晶溶媒に関する世界中の論文を集めて、考え方を分類して提示してくれるだろう。一番可能性のありそうなものを選んで研究をスタートする?
それはどこまで行っても”ジブリ風の絵”を脱却できない。
一番可能性のありそうな研究をしている人だって、既にAIを使ってさらに先に行っているだろう。どうして言葉も持っていないものが追いつけ追い越せできるか?
そもそも、そんな程度の合理化でいいのなら、競争相手はいくらでもいる。どう差別化するのだろうか?
活量係数という言語とその周辺のサイエンスを理解していない人間には山本の先を考える能力はない。
AIにはこうしたサイエンスを理解する事はできる。そしたら、世界中の論文、特許について、この考え方を適用することが可能になる。
山本の妄想:
HSP-AiSOGをAPI化してネットに置く。AIは勝手にDESのデータを放り込んで、考え方が合うか検証する。合わないものがあったらパラメータを修正もしくは拡充する。
SFでは無くなってきた。
人間は夢でも見ていればいい
自分の言語を広げる努力をしたくないなら、プロンプト・エンジニアリングに賭けるのもよい。今のAIはできが悪いからプロンプト・エンジニアリングが必要だ。
すぐに、行間を読んでやりたいことを理解してくれるAiができる。今はプログラマーが大量解雇される時代になり、すぐにプロンプト・エンジニアが解雇される。
もしかしたら、活量係数なんて言っていないで、MD計算で分子間相互作用が正しく計算される時代が来るかもしれない。そしたら私がやっている事は無駄?
そんな事はない。
将棋や囲碁で人間がAIに敵わなくても、藤井くんは楽しそうに将棋をさしている。
こんな事ができたら楽しいなを夢見ている私には、AIがどんなに進歩しても敵わない。
逆に夢を実現するためにAIが手を貸してくれるのでうれしい。
「調べて提示はAIがやって、人間は考えよう」
ではなく、人間は夢みよう。