大学で「稼げる研究」って工学系では昔から当たり前だろ?

大学10兆円ファンドにいろいろな懸念が出ていると今朝の新聞に出ていた。
基礎研究などを行う大学はそのような収入を見込めず、稼げる研究にお金が集中し格差が広がると言う。

でも、マスコミは何をつまらない事書き立てているのかと思う。

(ただし、この話は工学系の話に限るけど)
僕は、かれこれ40年近く前に学生だった時、科研費をとるテーマに当たっていた。
それなら取った科研費を自分のテーマに全額使えたのかと言うと、1/10以下しか使わせてもらえなかった。

教授にパソコンを買ってくれと頼んだ事がある。
>何に使うのか?
>データを解析する。
>じゃ、その前にデータを出せ。

まー、それでは、しょうがない。
個人でPC-8801購入して、それ以来、化学系プログラミングにハマりまくって現在に至っている。

閑話休題

その当時から、稼げるテーマで稼ぎ、教授がやりたいテーマに注ぎ込むのは当たり前だった。
いくら東大の教授だって、科研費も取れない、企業から見向きもされないなら自分のやりたい研究など出来やしなかった。

米国の大学が集金力がとても高いと言うのが、大学ファンドの始まりと報道されている。
でも、アメリカの教授の厳しさについては何も語らない。
日本の大学では、一度教授になれば一生教授だ。でも定年はある。

自分は自分が留学していたカルフォニア工科大学のことしかしらないが。。。

アメリカの教授は定年は無い。
いつ辞めるのかは、研究費を集める事ができなくなった時だ。
民間から、政府から金を集められる限り働き続ける。
軍事研究費など当てた時には学生は歓喜する。
僕が留学していた時も、それでスパコン買った時には喜びかえった。

日本でもアメリカでも、背伸びしすぎて、「稼げるテーマ」に学生のリソースを全部使い果たしてしまうなら、先が続かないだけだ。

稼げるうちに、次の芽を育てる。
一時期、アメリカが日本に押された時(Japan as No.1の頃)は混乱したようだ。
それは古い日本のアカデミックが、やはり、ノーベル賞をもらえるくらい実力があった=戦略的に少ないリソースを分配して懐が深かったからでは無いかと思う。

ファンドをもらうのに3%成長というのは、先の事など考えないで株主の利益最優先のハゲタカ・ファンドのやり方そのものでないと実現できない。

アメリカの老舗企業もそれで崩壊した所はボーイングとか多い。

応募する大学がそうならないことを願っている。

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