YPB物性推算

2026.3.17

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[1. 概要]

YPBはYamamoto Polymer Breakの略だ。高分子(Polymer)を分割(Break)して物性推算を行うLLC: pirika.comのCEO, 山本博志(Yamamoto)が作成したソフトウエアだ。山本はポリマーの物性推算式を開発しWebページで公開[*1]してきた。原子団寄与法[*2]、ニュータルネットワーク法[*3]を駆使し、高分子の構造のみ(Polymer-SMILESの構造式[*4])からポリマー物性を推算する。
商用ソフト、HSPiP[*5]とPirika Pro[*6]に搭載されて販売されている。

[2. ポリマー分割のアルゴリズム]

原子団寄与法をベースとした物性推算法はマニュアルで原子団の数を手入力[*7]する事もある。人為的な分割ミスがありうる。そこで、YPBはポリマーSMILESの構造式を入力に用い山本のアルゴリズムで自動分割する。分割はまず主鎖骨格と側鎖を別ける。Polymer Smilesは繰り返しユニットの両末端に[X]を持つ。繰り返しユニットの全ての結合を一つずつ切断する。ある結合を切った時にユニットが1つのままであるなら、環の結合だ。ユニットが2つになった時に両方のユニットに[X]が1以上あった場合には主鎖の結合になる。切断した時に[X]を持たないユニットがあった場合それは側鎖だ。
主鎖骨格と側鎖が分かれたら後は大きな原子団から認識[*8]させていく。YPB2024の精度は[*8]に記載した。

[4. YPBの出力]

pirika Pro Add-Onとfor MIでYPBの出力は変わらない。

タイトル説明PrikaProHSPiP
MWユニットあたり分子量
PVol24ポリマーの体積
PVol24main主鎖の体積
PVol24side側鎖の体積
Tg22ガラス転移温度
Tg22withCTガラス転移温度(非線形込み)
Tm22CT融点
Surface tension22臨界表面張力
Parachor22パラコール
EDLa一番大きなED(官能基ごと)
EALa一番大きなEA(官能基ごと)
Dielectric Const.誘電率
lnPO2酸素の透過速度
CE24GA凝集エネルギー
CE24GAmain凝集エネルギー主鎖分
CE24GAside凝集エネルギー側鎖分
totHSP-Pポリマーtot HSP
dD24-Pポリマー δD
dP24-Pポリマー δP
dH24-Pポリマー δH
totHSP-Mtot HSP(官能基から)
dD24GA-MδD(官能基から)
dDvdw24GA-MδDvdw(官能基から)
dDfg24GA-MδDfg(官能基から)
dP24GA-MδP(官能基から)
dH24GA-MδH(官能基から)
dHAcid24GA-MδHAcid(官能基から)
dHBase24GA-MδHBase(官能基から)
yED24GA-MED(官能基から)
yEA24GA-MEA(官能基から)
dNet24GA-M正則溶液以上の水素結合ネットワーク分のSP
RI24GA屈折率
Mol Refraction24モル屈折
P-SmilesPolytmer Smiles
FGFactor内部パラメータ
γc_d臨界表面張力 δD分
γc_p臨界表面張力 δP分
γc_Hacid臨界表面張力 δHAcid分
γc_Hbase臨界表面張力 δHBase分
γc_x臨界表面張力 δD分以外
dHAc24La一番大きいδHAcid(官能基から)
dHBs24La一番大きいδHBase(官能基から)
AbraYamAcid25Abraham Acid(山本スケーリング)
AbraYamBase25Abraham Base(山本スケーリング)

ポリマーのδD, δP, δHは直接求める。δDvdw, δDfg、酸塩基は低分子用のYMB官能基のパラメータから決定する。臨界表面張力の成分分割にはHSP-MIRAI[*9]法を用いた。接着性を検討する時には重要なパラメータとなる事が多い。

[5. 整形されたデータ]

YPBの計算結果から用途に合わせたフォーマットを出力する。
6.1 HSPiPフォーマット
6.2 NewSphereフォーマット
6.3 QSAR (QSAR用に全ての数値を出力)

通常のHSPを求める手順は、あるポリマー(無機物)をHSPが既知の溶媒を用いて溶解(分散)試験を行う。同じように酸素の透過性をHSPの既知のポリマーで試験すれば酸素のHSPを求める事ができる[*10]。そこでHSPiP用のデータフォーマットをポリマーSMILESだけから作成する機能を搭載した。

[6. Pirikaのリンク]

*1 Van Krevelen法ポリマー物性の推算
*2 原子団寄与法
*3 ニューラルネットワーク法
*4 Polymer-SMILES
*5 HSPiP
*6 Pirika Pro
*7 原子団寄与法での手入力
*8 Y-PB2024
*9 HSP-MIRAI (ブログ 書き直す)
*10 酸素のHSP