pirika研究会での「ハンセン溶解度パラメータ」勉強会

昨日までで、1.5時間*5回が終了した。色々考えさせられる5回であった。

HSPiPは使いこなされているのだろうか?

HSPiPはとても高いパーフォマンスのソフトと評価されている。
最近のサブスク方式に反して、一度購入すればバージョンアップがずーっとできる安心感も高く評価されている。

開発は、Abbott先生と私の二人だけなので、一貫性がある。

ところが、勉強会で説明してみると、結構難しい。

私は、データベースの管理と物性推算式の開発を担当している。
Abbott先生はそうしたDBと予測式を使って更に応用していく部分、GUIなどの全体をやっている。

そんなことを15年もやっていると、段々ユーザーもレベルが高くなっていて当たり前と考えてしまう。昔からのユーザーとはツーカーである。

新しいユーザーも特許や論文、私のHPを見て購入していくなら直ぐに追いつくだろうと考えてしまう。

初心者に教えてみて、初めて、その考えの間違いがわかった。
例えば、今の時代、「拡張子」hsdxと言っても何のことだか分からない理系がいっぱいいると言うことだ。

iPhone/AndoroidからMac/PCへ移った大学生ぐらいでは、そもそも、セーブ(保存)という概念すらない。

逆に言うとセーブだとか拡張子を意識させるようなソフトはモダンではないと言うことだ。

そこで、HSPiPに関してもAbbott先生はhsdx(xmlフォーマット)に変更して、それ以外は読み書きできなくしてしまった。(Ver.5.4から)

これまでのタブ区切りのテキストファイルなら、表計算ソフトで管理していれば、Mac/Pc/iPad/Android/iPhoneで共通に見れるし、データの継ぎ足しもできる。

でも、xmlフォーマットになった為に、データの管理はHSPiPが動作するPCに限定されてしまう。

自分はデータベースは、リレーショナル・データベースを使う方が便利だと思っているが、低機能なHSPiPの化合物検索を使わなくてはならなくなる。

必要な機能がなかったら、チャチャーとプログラム作って仕舞えばいいじゃないか。
理系ならできて当たり前だろ?

UKではともかく、日本ではどうか?

どの程度のHSPiPユーザーが本当の意味で使いこなせているのだろうか?
それとも目先の目的に差し当たって使えればあとはお蔵入りなのだろうか?

HSPiPを勉強する価値があると伝えられているか?

私やAbbott教授もマニュアル読まない系だ。
でも、正確に言えば、「分からない点が出るまでは読まない」だけで、疑問が出れば、マニュアルからネットから徹底的に調べる。
そう言うタイプの研究者は、「分からなければ人に聞く」タイプの研究者があまり好きではない。自分で調べろって突き放してしまう事が多い。

でもpirikaの研究会やってきて、「分からなければ人に聞く」タイプだから突き放すのでは無いような気がしてきた。

これは、どうもメールの書き方というか、行間ににじむ何か?
もともと無料だし、お金では無い。有名企業、有名大学の肩書きでもない。

逆に言うと、自分がメールなりブログなり書いて、人がそれを読む時のことを考える。
「もう一線を退いた研究者の戯言だから聞く価値は無い」
自分も学生の時そう言う生意気な学生だったので、そう言い切って頑張る生意気な奴は好きだ。勝手に頑張って欲しい。

メールに返事を書くか、研究会への参加を勧めるか、一緒に面白そうなネタ探しするか?
一言で言って仕舞えば、「可愛げ」なのかな。
可愛げのある文章を書かないといけないな。

勉強会で学ぶと言うこと

勉強会で説明をする。分からなくても手を上げない。先へ行ってから分かっていないことが判明する。わかっていないのは自分だけみたいだから、後でこっそり調べて追いつこう。
そういう日本の伝統っぽいものをどこかで打破する必要は強く感じた。

一つ明るいところとしては、学生に混じって社会人の研究者が入ってくれた点だ。
的確なところで的確に質問できる。
社会人の研究者のそうした点を、若い学生が真似できるようになる。

Pirika研究会の今後

今後、pirika研究会をどうして行くか、これから考えようと思うけど、この学生と社会人の組み合わせは多分継続するだろう。



コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です