Alfrey-Price Qe 値

2026.4.5

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高分子化学 > ポリマー中のモノマーのシーケンス(並び方 > Alfrey-Price Qe 値

[1. 概要]

Alfrey-PriceのQ-e値は、ラジカル共重合においてモノマーの反応性を示す実験的な指標だ。Q値はモノマーの共鳴安定化(反応性)、e値は極性効果を表す。基準となるスチレンのQe値(Q=1.0, e=-0.8)を基にモノマーの反応性比を算出する。
r1=Q1/Q2 ・e -e1(e1-e2) (1)式
r2=Q2/Q1 ・e-e2(e2-e1 (2)式
スチレンとの共重合データr1, r2が既知の場合相手のモノマーのQe値は(3)(4)式で計算できる。
Q1=Q2r1exp[e1(e1e2)] (3)式

e1=e2±ln(r1r2)1 (4)式

共重合データr1, r2を得るためには、仕込みの濃度を変えた複数の重合実験を行う。重合速度は濃度の関数になる[*1]。濃度が変わらないと見なせる、ごく重合初期で反応を止めr1, r2を決める。仕込み濃度や重合度が異なる数点のデータ(NMR, 元素分析などでポリマー中の存在比率のデータ)が有れば良い。実験結果からr1, r2を決めるにはmayo-lewis法やFineman-Ross法が知られている。さらにpirika.com社製の重合シミュレータPOSEIDONを使い、シミュレーション結果が正しくなるようにQe値を決定する方法も開発されている。一般的にはモノマーの構造のみがあってもそのQe値を予測することはできない。

[2. Qe値のデータベース化と予測式の構築]

このQe値を集めデータベース化[*2]した。集めたものをニューラルネットワーク法を用いて推算式を構築した。入力にはMOPACで計算したHOMO-LUMOの値や2重結合のHead-Tailの電荷などを入れる。その方法ではQe値が未知のモノマーに対しては分子軌道計算を行わなくてはならない。そこで自作のCNDO/2 [*3]を用いてモノマー構造からQeを計算するWebアプリ[*4]を開発しPoseidon Pro[*6]に搭載した。さらにモノマーがどのくらいポリマーに導入されたかの実験値を持つ場合に、その実験値からQe値を決定するアルゴリズム[*5]を開発し、POSEIDON Pro[*6]に搭載した。新しい原子団寄与法DGC法を使ってQe値を計算した。結合情報を残したDGC法ではQ値の推算も可能になる[*7]。

[3. 研究の流れ]

ポリマー中のモノマーの並び方(シーケンス)を知りたい。反応性比r1, r2が分かればよい。実験値のr1,r2は重合のごく初期で決定するので重合全域のシミュレーションには適さない。モノマーのQe値はモノマーペアが決まって初めて決まる値になる。相手によって大きく異なるQe値を取ることがある。平均的なQe値であれば分子軌道計算の結果やDGC法で予測することができる。Qe値が得られれば(1)(2)式でr1,r2を計算できる。
企業の研究ではある特殊な自社だけで使うモノマー群でシミュレーション結果が正しくなるようにQe値を求めたいことが多い。実験値がある場合には初期値にQe値の推算値を使い、シミュレーションを行う。シミュレーション結果が実験結果と同じになるようにQe値を決定し直すアルゴリズムを開発しPoseidon Proに搭載した。自社独自のシミュレーションシステムに育成が可能となる。

[3. pirika.comのリンク]

*1: ラジカル重合の基礎式
*2: Qe 値のDB化と推算 2005.7.20
*3: CNDO/2
*4: Qeを計算するWebアプリ
*5: 実験値からQe値を決定するアルゴリズム
*6: POSEIDON Pro
*7: DGC法を使ったQ値の推算


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