水素結合項(dH)の分割

2026.3.25

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[1. 概要]

ハンセンの溶解度パラメータ(HSP)の性能はとても高い。いまだに3次元の[dD, dP, dH]で多くの問題を解決してきている。その理由の一つは、山本博志(LLC: pirika.comのCEO)が開発者として加わる(2008年)前には原子団寄与法を持たなかったことにある。HSPのトータル分は蒸発潜熱(Hv)から算出できる。dD項は屈折率から、dP項は誘電率(ダイポールモーメント)から算出できる。そして水素結合項は次式(1)で計算した。
dH2 = totHSP2-dD2-dP2 (1)
これが高い性能を維持できるとても大事なポイントになった。
totHSPは分子の相互作用を断ち切って液体が気体になるエネルギーである。
そこには分散項、分極項、水素結合項以外にドナー/アクセプター相互作用、電荷移動相互作用、π-π相互作用、配位結合などあらゆる分子相互作用エネルギーが含まれている。そこで式(1)の水素結合項には、水素結合項以外のすべてのエネルギーが押し込められている。山本の作成したY-MBによるdHの推算にはすべてのエネルギーが含まれているので高いパーフォーマンスを示し続けている。
逆に性能が高すぎて、dH項の分割はかえって性能を悪くすることが多かった。
dHの分割については2つの方向が検討されている。

totHSP2= dD2+ dP2 + dHacid2+ dHbase2  (2)
(2)式を満足する形であること。

(2)式は満足しなくても良い形(3)
dD2 + dP2 + 2*(dHacid* dHbase) (3)

さらに酸塩基をブレンステッドの酸塩基でとるか、ルイスの酸塩基で考えるかの違いがある。無機物の分散に関してはルイスの分割の方が性能が良い。
分子全体としての平均で考えたほうが良いのか、分子中の特異的な官能基の性質で考えた方が良いのか、ケース・バイ・ケースになってしまう。

[2. dH分割値の種類]

水素結合項δH
山本法Acid/Base分割[*1]yHAcid26yHBase26
LewisのAcid BaseyED26yEA26
HSPiP搭載dHAcidOlddHBaseOld
Abraham Acid/BaseAbraham yAcid26Abraham yBase26
山本法Acid/Base分割ByHAcidByHBaseB
最大/最小電荷MaxPChargeMinMCharge
分子中最大/最小
山本法Acid/Base分割yHAcidLyHBaseL
LewisのAcid BaseyEDL26yEAL26
HSPiP搭載dHAcidLOlddHBaseLOld

[3. dH分割値の利用法]

  • 次世代HSP2の水素結合項を使う

Pirika ProのYMB26でdH分割を選択する。現在のHSPiPに搭載されているブレンステッドの酸塩基(AbrahamのAcid/Base)をベースにしたδHD, δHA以外の分割値を出力する。ルイスの酸塩基、分子中の最大のAcid/Baseだけを見る。必要に応じて拡張HSPiPデータの列を入れ替えて用いる。



*1: HSP、水素結合項の新しい分割法yHAcid/Base


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