松茸の香り

2026.6.17

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溶解度パラメータの現在・過去・未来 > においは3次元HSPでは足りない > 松茸の香り

[0. ストーリー]

欧米では松茸の香りは「軍人の靴下の臭い」「数ヶ月も風呂に入っていない不潔な人の臭い」と言われる。香り物質が嗅覚細胞へ溶解する事によって脳が認識(図1)するのであれば溶解度パラメータで松茸の香りを表現できる。問題は松茸の香りは複数の香りの混合物であることだ。

[1. データ]

悪臭物質を解析[*1]した。その香り物質をベースに松茸の香り(表1)のHSPの位置を解析する。

[2. HSPの関係]

  • クラッシック3次元HSP
    図2に3次元HSPをハンセン空間にプロットした。松茸の香りは青い球で示した。成分量の多い1-オクテン-3-オールとケイ皮酸メチルの球の半径は大きめにしてある。珪皮酸とケイ皮酸メチルについてはハンセン空間中で近くに似たようなHSPの悪臭はいない。デモで回転させ確認する。1-オクテン-3-オール の側には死体:カダベリンがある。trans-2-オクテン-1-オールの側にはぞうきん:4-methyl-3-hexenoic acidがある。3次元HSP的には、松茸の香りは「雑巾臭の死体」となる。(図2ではわかりにくいが、デモで回転させるとケイ皮酸の側には化合物はいない)
  • 次世代のHSP2
    先の悪臭物質の解析の際に複数の官能基を持つ化合物の匂いは分子中の官能基で一番大きな値を持つ1つだけで決まる事がわかった。そこでここでも官能基のElectron Donor/Acceptorの一番大きなものだけを使った。結果を図3に示す。桂皮酸はぞうきん:4-methyl-3-hexenoic acidに近く、ケイ皮酸メチルの側にはカメムシ:トランス-2-ヘキセナールに近い。1-オクテン-3-オールとtrans-2-オクテン-1-オールの側にはイソブタノール(発酵果実)がある。そこで次世代のHSP2的には「発酵しすぎて腐った果実をぬぐった雑巾にカメムシがたかっている匂い」になる。

    もちろんこれは悪臭リストから近い化合物を探したのでこんな表現になっている。花の香りから探せば違う表現になるだろう。こういう研究はAIには絶対にできないわけで、ずーっと楽しめる。

[3. 図表]

図1香物質ごとにHSPの3つの数字を割り振ることができる。お酢は赤い三角が大きくて、酸っぱく感じるとか、都市ガスの硫黄の匂いは緑が大きいとか、分子特有のHSPを得ることができる。3つの大きさを嗅上皮にあるセンサーで測ってその信号を脳に送っていると考える。
松茸珪皮酸C1=CC=C(C=C1)C=CC(=O)O
松茸1-オクテン-3-オール CCCCCC(C=C)O一番多い
松茸trans-2-オクテン-1-オールCCCCC\C=C\CO
松茸ケイ皮酸メチルO=C(OC)/C=C/C1=CC=CC=C12番目
表1 松茸の香り成分

Drag=回転, Drag+Shift キー=拡大、縮小, Drag+コマンドキーかAltキー=移動。

図2 3次元HSPをハンセン空間にプロット

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図3 yEA/yEDの官能基最大

[4. pirika.com内へのリンク]

*1: においは3次元HSPでは足りない。
*2: 香りとハンセン溶解度パラメータ(HSP)


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