2022.11.24改訂(2010.11.12)
pirika.comで化学 > 化学全般
> 次世代HSP2, YMB Pro for MI >
> 解析例トップ
DIYトップページ >
環境、溶媒設計トップページ > ハンセン溶解度パラメータ(HSP)と相対揮発度
概要
相対揮発度(RER; Relative Evaporation Rate)はコーティングや印刷、塗料業界ではとても重要な指標だ。
HSPiPにはそれを推算する機能が搭載されている。
分子の構造のみからアントワン定数を推算して、25℃での蒸気圧を求め、RERを計算する。
HSPから蒸発潜熱を求め計算する方法と比較した。
内容
HSPiPには相対揮発度(RER; Relative Evaporation Rate)を推算する機能が搭載されている。

ここでの計算は、化合物の蒸気圧のみから推算される。
(実際は、比熱や熱伝導度など色々なものが複雑に関与する。)
Y-MBは分子の構造(Smiles)のみからアントワン定数を推算することができる。
これを用いて25℃における蒸気圧を、酢酸ブチルやジエチルエーテルと比較し、RERの値としている。
どのくらいの精度になるか、他の方法を含め検証してみた。

HSPiPを使えば、任意の化合物のdD(分散項)、dP(分極項)dH(水素結合項)をSmilesの構造式から推算することができる。
そして全体の溶解度パラメータは次式で計算できる。
totHSP^2 = dD^2 +dP^2 +dH^2
従って、25℃での蒸発潜熱は, 次式で計算できる。
Heat of Vaporization at 25C = totHSP^2 *分子体積
それをプロットしたのが上の図だ。大まかには良く合っている。RERが非常に小さい領域(揮発しにくい溶媒)は、実験誤差も大きいのだろう。
また、RERが非常に大きい領域では、蒸発潜熱を奪われる事によって液体表面の温度が冷やさればらつきが出る事が知られている。
3点ほど例外がある。これはカルボン酸を含む化合物で、これらはダイマーとして蒸発する事が知られている。

蒸気圧の推算に関しては、Y−MBはAntoine定数を推算する。
そして、これから25℃の蒸気圧を推算し、それをRERの値とプロットしたのが上の図だ。
この場合はカルボキシ化合物でも大丈夫だ。

さらに、それを体積で補正をかけると、もう少し良くなる。
さらに改良を進める予定だが、どこかにRERのデータベースは無いだろうか?
ご存知の方がおられたら、連絡を頂けるとうれしいです。
対応するブラウザーをお使いなら、上のキャンバスに分子を描けばRERを得る事ができる。詳しい分子の描き方はこちらを参照してください。
2011.11 24
VOC化合物のRER値推算値(Y-MB 3.1)と実測値の比較

pirika.comで化学 > 化学全般
> 次世代HSP2, YMB Pro for MI >
> 解析例トップ
DIYトップページ >
環境、溶媒設計トップページ > ハンセン溶解度パラメータ(HSP)と相対揮発度
Copyright pirika.com since 1999-
Mail: yamahiroXpirika.com (Xを@に置き換えてください)
メールの件名は[pirika]で始めてください