サルファ剤とハンセン溶解度パラメータ(HSP)

2022.9.24改訂(2010.3.29)

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概要

抗菌剤のHPLCによる一斉分析の結果を入手した。
これまでのHSPを使ったHPLCのリテンションタイムのシミュレーションと比べると結果は良くない。

スルフォアミドのパラメータが無いことに由来するのか、もともとアミン化合物の液液抽出は精度が出ないことに由来するのか残念な結果であった。

環サイズの非常に大きな化合物はHSPの推算も含め精度が出ないことが確認された。

内容

スルフォンアミド剤や関連物質が抗菌剤として使われている。
そのHPLCの解析結果が得られたのでHSPと比べてみた。

データは次のようになる。最新版のHSPiPで計算してみよう。

テーブル
NonameCAS#HcodeRT
1sulfaguanidine57-67-0218965.419
2sulfanilamide63-74-110775.614
3sulfacetamide144-80-92189710.027
4sulfadiazine68-35-92189812.3
5sulfathiazole72-14-02189913.226
6sulfapyridine144-83-22190013.513
7sulfamerazine127-79-72190114.637
8trimethoprim738-70-52046515.176
9sulfamethizole144-82-12190216.395
10sulfadimidin57-68-12190316.686
11sulfamethoxypyridazine80-35-32190417.033
12sulfachloropyridazine80-32-02190517.744
13sulfamethoxazole723-46-62190618.08
14sulfamonomethoxine1220-83-32190718.73
15sulfadoxine2247-57-62190819.502
16sulfabenzamide127-71-92190920.482
17sulfadimethoxine122-11-22191022.877
18sulfaquinoxaline59-40-52191123.807
19sulfanitran122-16-72191227.051

何故、No.8の化合物がここに含まれるのかはわからない。

サルファ剤といえばDr. Stoneだ。

せんくう君はどうやって作ったサルファ剤を分離精製したのだろうか?
カラム分離がお勧めだ。

溶媒のグラジエントはとても複雑で、リテンション時間とハンセン距離の間の相関はあまり美しくない。

しかし、ODSカラムのオクタデカンと溶質の距離が短いものほどリテンションタイムが短くなるというのは、おおまかに見て取れる。

サルファ剤はスルフォン酸とアミンが反応した、1種のアミド化合物だ。

新しい官能基を定義すべきかどうかで悩んでいる。
スルフォンアミドのパラメータが悪いにしても、どうも系統誤差ではないので取り扱いは難しそうだ。
もともと液液抽出でもアミン化合物は鬼門だ。

logPやlogSの推算値もあまり精度が出ていない。Ver.4への宿題か。ver.5.4でもあまり精度が出ていない。やはり新たな官能基を定義すべきかもしれない。

他の化合物のHPLCの結果も入手した。こちらは様々なタイプの抗菌剤の一括分析だ。

No.8とNo.11の結果はとても悪い。
分子がとても大きいので分子体積で割るととても小さな値になってしまう。

このように大きな化合物を計算するときには、Hesperidinの計算のところでも述べたように、部分ごとのHSPを計算したほうが理解しやすいかもしれない。

また、通常の環状化合物は5−6員環を想定している。それ以上に大きな環に小さな環のパラメータを適用すると結果は信頼の置けないものになる。

HSP距離を用いた保持時間の推算には、あまり大きな環状化合物は使えないと考えたほうが良い。

対応するブラウザーをお使いなら、上のキャンバスに分子を複数描けばRTがどのくらいかを得る事ができる。
詳しい分子の描き方はこちらを参照してください

No.9の結果もあまりよくない。これは分子内水素結合のせいかもしれない。

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