明日からMI部署で頑張って!って言われたら

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[0. ストーリー]

「XX君、最近生成AIとかすごいらしいから、明日からMI部署で頑張ってくれ」って部長に言われた時に読むページ。

[1. 概要]

2015年6月15日の日本経済新聞に“米,「材料ゲノム」の衝撃”と言う記事が載った。
オーダーメイドの医薬品の開発の際に,患者の遺伝子解析を行って薬を設計する。
同じように材料もゲノム解析して設計してしまおうと言う発想だ。
その後、メールの部署名をみると、MI、DX、AI推進室などが並ぶ。多くは計算機科学(分子軌道計算やMD計算)の部署の衣替えのようだ。10年経ってこれだけ生成AIが進歩しても、どこもあまり上手く行っていないようだ。

pirika.comのCEO, 山本はポリウレタンの合成屋だった。1994年のある日、「来年からつくばに行って代替フロンの開発やって」と会社から放り出された。有機合成、特にハロゲン化学はど素人なので会社辞めようかと思った。でも、ものすごい予算がつく国家プロジェクトなので参加して実力つけてから辞めるのも良いと思った。
「明日からコンピュータを使った材料設計やって。予算は年1億ぐらいは余裕でOK」

30年前に、素人の私が苦労した事が繰り返される。予算は多く無いだろうし大変だろう。

プロジェクトから帰社した1999年以降、会社での仕事とは切り離して情報化学を個人で深耕してきた。pirika.comをスタートしたのも1999年だ。両足どっぷり会社は避けたかった。片足は常に将来を見据えた岩盤に置く。

[2. 無茶振り]

無茶振りされても、どうすれば良いか直ぐに方針立てられるならMI人材として大丈夫だろう。こんなページ読む必要がない。

「0. (1999年)塩素が入るとオゾン層を壊す。大気寿命が長いと温暖化が問題になる。塩素なしで壊れやすく、物性や毒性がフロンと同等の溶媒を設計して」これは国家プロジェクト並に大変で方針も直ぐには立たないかもしれない。

「1. (2014年廊下ですれ違った部長)山本君、僕は鉛フリーのガラスの設計にビスマスを使うのではダメだと思うんだよ。情報化学でどうにかしてくれないか?」
スマホのガラスを接着する鉛を使わないフリット作ってよ、納期1ヶ月

「2. アップルがスマホのガラスにサファイアガラスを使うかも。サファイア並みに低熱膨張率のフリットを設計したい」NEGは特許出してきた。対応策考えて、納期は来週の打ち合わせまでに

「3. データをエクセルからコピーして解析ツールにペースト。結果をコピーしてエクセルに戻す。面倒だ。」そんな面倒なことできる研究者はいないよ。どうにかして

「4. 任意のモノマーの共重合体の物性(例えばTg)を予測して」Tgが高いとガスバリアー性が高くなるらしい。重合実験の結果(仕込み量、ポリマー中の導入量)があるのだけどTg予測式を作って。

「5. 接着力を考える用に表面張力を成分分解してくれ」昔の研究者は優秀だ。表面自由エネルギーの解析にForwesの式やVan Ossの式がある。でも評価しようにも解析用のデータが手に入らない。1980年代と2026年を繋いで。

「6. 同業他社が量子コンピュータ使って処方設計している」普通の事務用コンピュータで負けない方法を開発してくれ。

「7. HSPiPに搭載のY-MBは重原子が120個までの制限がある」この制限を外してくれ。

「8. 化学の常識を取り入れてくれ」水への溶解度をg/100g水で表す場合100gまで溶けたら実験を打ち切る。「引火点が110℃以上」を解析に取り込むには?


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pirikaでの化学系研究の進め方はある程度パターンがある。化学の何かを知りたい、興味があるが先にある。次に興味ある知りたい何かをどうやった解析できるか考える。既存のツールですぐにできれば良いが、ツール自体の作成から始めることも多い。
データは自分でチマチマ集める。自分で集めていると色々なことがわかる。化学のデータは汚い。その汚さの感覚を身をもって知ることが重要だ。
集中してやって面白い結果出なかった場合には塩漬けにして気分を変える。上手く行ったらHPに載せて忘れる。

[2. 研究例]